2015年5月19日火曜日

NEC LaVie LL370/E を入手しました。

友人から動かなくなったパソコン(NEC LaVie LL370/E)を譲り受けました。電源を投入すると一時的にプロセッサの冷却ファンなどが回転して動きそうな雰囲気となるのですが、その後画面に何も表示されず、動作をする気配がないというものでした。外観が比較的綺麗な個体であったので、動かなくても静態保存として残しておくには十分な感じです。そこで分解して動作しない原因が発見できれば修理して、そして発見できなければそのまま保管することを前提に分解してみました。

今回入手した NEC LaVie LL370/E です。
入手当初は画面が真っ暗で何も表示されない状態でした。

昔の PC-98 世代の NEC のパソコンはさんざん分解してきましたが、この世代のパソコンでの分解の経験はありませんでした。しかし日頃 ThinkPad で分解の技に磨きをかけているので(笑)・・・意外とすんなり分解できました。キーボードの上部のパネルを剥がすことが出来れば、後は目に見えるネジを順番に取り外してゆけば分解できました。

分解の第一歩はキーボード上部にあるパネルの撤去です。
左右の側面に爪を書けるくぼみがあり、ここからパネルをめくり上げます。
パネルを取り外して裏返した様子です。爪の位置がよく判ると思います。

プロセッサの冷却ファンを観察してみると写真のありさまです。友人は喫煙者であることもあり、茶色いネバネバのヤニとホコリが入り混じったフェルト状のゴミが冷却フィンを覆っていました。これを見て、もしかしてプロセッサが焼けてしまったか?すぐ近くにあるビデオチップが焼けてしまったのではないかとこの時点では想像していました。

ひどく汚れていた冷却ファンと冷却フィンです。
フェルト状になって詰まっていました。これでは風が流れません。

とりあえず掃除機でホコリを吸い出した後、水分を含ませた刷毛や綿棒で冷却ファンなどを綺麗に掃除しました。

綺麗に掃除をした後の冷却ファンなどの様子です。

マザーボードの表面もタバコのヤニとホコリの混合物が付着していたので、水分を含ませた刷毛で綺麗に掃除を行いました。マザーボードの表面に実装されている部品の一部は錆びているものもあり、かなり湿度の高い環境で使用されていたことが想像されました。錆などによる劣化による故障だとすると、もう私の手に負えないものかもしれないとも考えていました。

焼けた部品などがないか?目を皿のようにして探しました(笑)。

マザーボードを抜き取ったところで、プラスチック筐体を綺麗に水洗いしました。金属部品が多く含まれている状況だったので、食器洗い用中性洗剤で洗浄しました。毎度のことながら、このひと手間で随分と綺麗になります。

マザーボードがむき出しの状態で動作確認のために電源を投入してみました。やはり動作しませんでした。ヒューズなどが切れていないか?トランジスタ類が焼けていないか?とマザーボードの表面を舐め回すように観察しましたが異常な箇所を発見することができませんでした。

異常なところが見当たらなかったので、マザーボードの状態で電源を入れて動作確認をしてみました。

いよいよ諦めていたとき、2枚のメモリカード(A-DATA ブランド)を抜いて、新しい別のメモリカードを装着したところ、何と!パソコンが起動を開始しました。起動ロゴと BIOS を表示することができました。原因はメモリカードの不良でした。外観は全く問題ないように見えるメモリカードですが、確かにこのメモリカード(2枚とも)が認識されないのです。再現性のある症状のため、どのような故障なのか不明ですが、メモリカードの不良ということで決着がつきました。

右下の二枚のメモリカードが不良でした。

後は一気に組み立てを行いました。ネジを余すこと無く、ちゃんと組み上げました。この LL370/E で使用されているネジのゆるみ止め剤には二種類のものが使用されていました。ThinkPad でもよく見かける青色のものと薄茶色のものです。この違いもちゃんとメモをしていて、元通りにネジを使用しました。

マザーボードを筐体に組み込んでいる様子です。
筐体も綺麗に洗っているので、組み立ても気持ちよく進みます。

組み上がったところで、再度動作確認を行いました。メモリ試験も念入りに行いました。

組み立てが終わったところで、動作確認です。
メモリを中心として念入りに行いました。

今後の予定としては、現在装着されているハードディスク内には Windows XP がインストールされていますが、以前の持ち主の友人との約束で全て消去することとなっています。そのためハードディスクの初期化を行なって、Debian Jessie をインストールする予定です。ただチップセットに SIS のものが使用されていることもあり、インストールに難航する部分もあるのでないかと予想しています。

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