安心!ハードディスクの完全消去

ハードディスクを完全に消去する内容の記事です。

パソコンを廃棄・リサイクルする場合や中古品として売却するときに心配となるのはやっぱりハードディスクの中に残っている個人情報です。誰でも恥ずかしい内容の一つや二つは持っているものです。私なんか何らかの理由でハードディスクの内容を第三者に見られたらとても今後の生活さえ出来そうにないほどヤバい状態です(笑)。

そこでハードディスクの処理に頭を悩ませている読者さんもいらっしゃることでしょう。

対策方法の一つとしてハードディスクを市販のハードディスク消去ソフトを使って消去してしまう方法があります。この方法を選択する(した)読者にはこの記事は無意味なものと思います。

次の選択肢としてはハードディスクを物理的に破壊して内容を読み取れなくしてしまう方法があります。しかしこれではリサイクルやリユース(中古として再利用)が出来なくなってしまいます。

更に別の方法としてパソコンのリサイクル/リユースを行う業者さんを信頼してハードディスクの消去をお願いする方法もあります。ウェブ上にも広告を掲載している信頼できる業者さんが他数存在していますので、ウェブ上に出回っている風評も参考にして選ぶことも可能です。

しかしインターネットオークションなどでパソコンを個人的に処分したいと思う読者さんにとっては 個人で完全にハードディスクを消去しなければなりません。

そこで一番最初の市販のハードディスク消去ソフトウェアを使用するかその他の方法を選択するかということになってきます。

ここからは私個人の事例の紹介です。

Linux の各ディストリビューションが用意している badblocks を使用する方法を紹介します。

badblocks はハードディスクの健康状態を直接データを書き込むことによって検査することを目的としたソフトウェアです。

検査内容は大きく分けて二つあり、一つはハードディスクの内容(データ)を保存したまま(破壊せず)検査する方法と内容を破壊しながら検査する方法があります。

このうち破壊しながら検査する方法を利用してハードディスクの内容を消去してしまい、さらにハードディスクの検査も一緒に行ってしまおうという一石二鳥の方法となります。

標準的な破壊検査ではハードディスクにテストパターンを先頭から最後尾まで書き込み、そのテストパターンを読み出すことを四回ほど行います。0,1 のデータを白黒の色に例えると最初に白黒のゼブラパターンで検査を行います。二回目は一回目のゼブラパターンの白黒を入れ換えたゼブラパターンで検査を行います。三回目は真っ黒のパターン(オール1)で検査を行い、四回目は真っ白なパターンで検査を行って終了となります。検査終了後にはまさしく真っ白(オールゼロ)の状態となっています。

ハードディスクの全領域がこのようにパターンデータを書き込んで、このパターンデータが読み取れることを確認しています。そのため過去に書き込んでいた個人情報のデータが完全に消去されたことが確認出来ているわけです。それもパターンを四回も変えて繰り返していますので過去の個人情報の読み出しは現実的に不可能となります。

ただ問題点はこの badblocks の検査に大変時間が掛かることです。1TB のハードディスクでこの検査で36時間ほどの時間が掛かってしまいました。時間は掛かりますが個人の場合には時間的な制約は少ないものと思います。確実で安心したハードディスクの消去



具体的な方法

ハードディスクを消去するパソコンで 1 CD Linux (PartedMagic や Puppy Linux)を立ち上げます。そして仮想端末(ターミナル)で次のコマンドを実行します。
ハードディスクを消去しながら検査をする badblocks のコマンド例
# badblocks -ws /dev/sda
オプションの説明
-w 破壊検査
-s 進捗状況をパーセントで表示
-n 非破壊検査(参考です。ここでは使用しません。)

ハードディスクは sda の他 sdb hda hdb などの名前になっていることがあります。

ハードディスクを完全消去して安心して廃棄・リサイクルしましょう!