入手時には電源を投入するだけのテストしか行なっていなかったこともあり、ハードウェアの障害が後になって判明することはよくあります。今回は WHR2-G54 の WAN ポートが動作しない状態となっていることを発見したため、この修理を行いました。
症状
WAN ポートへ家庭内 LAN のイーサネット・スイッチから分配したイーサネット・ケーブルを接続しても、WAN の接続を示す LED ランプが点灯せず、そしてファームウェアのシステム上でも WAN ポートが不通であることを示していました。
原因調査(その1)
WAN ポートのソケットを指先で抑えると通信を開始しました。そこで WAN ソケットの足を再ハンダ付けしましたが、症状は改善されませんでした。
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問題の WAN ポートのソケットです。
よくみるとプラスチック製の爪が変形しており、緩みが生じていました。どうも WAN ソケットへ圧力が加わったものと思われます。 |
そこで WAN ポートのソケットが不良であると判断して交換することとしました。部品取り用の無線LANルータから WAN 単独のソケットを取り出して移植してみました。
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問題の WAN ソケットを取り外して新しいソケットを取り付けました。 |
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WAN ポートへ新しいソケットを取り付けたところです。 |
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左側のソケットが元々搭載されていたものです。
右側のソケットが新しく取り付けたものです。 |
しかしソケットの交換後も WAN ポートは不通のままでした。そして指先でソケットを押さえつけると通信が回復していました。
原因調査(その2)
どうもソケットを介してボード上に圧力を加えることによって通信が回復することから、ソケットの周囲の部品を再ハンダ付けしては動作確認を行いました。一気に周辺の部品を再ハンダ付けしてしまうと原因箇所が不明となることから出来るだけ部品単位で再ハンダ付けと確認を行いました。
原因発見
原因は WAN ポートの直後にある WAN 専用のパルストランスでした。パルストランスのリードを再ハンダ付けしたところで、問題の症状が発生しなくなりました。WAN ポートのソケットには外圧が掛かった痕跡があったことから、その影響(衝撃)がこのパルストランスのところまで届いていた模様です。
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この WAN ポート専用のパルストランスのリードは接触不良(ハンダ割れ)でした。 |
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