なんだか久しぶりの Puppy Linux の記事となりました。
背景
Atheros 社の無線 LAN チップ(5000 番台のチップ番号)が搭載された無線 LAN アダプタの機種において、5GHz 帯の IEEE 802.11 a モードに対応しながら、実際には 5GHz 帯で動作しない製品が意外に多くの存在していました。有志の手によって原因追求と対策を行ったパッチが公開されています。WL54SC の 11A モードを ath5k ドライバで使う
http://harakire.tripod.com/junkies/ath5k_for_wl54sc.html
私は、すでに Debian Wheezy と Jessie でこのパッチを適用して再ビルドを行なって、5GHz 帯対応の製品でちゃんと 5GHz で動作させていました。
NEC Aterm WL54SC と ath5k ドライバの再ビルド
http://near-unix.blogspot.jp/2015/04/nec-aterm-wl54sc-ath5k.html
今回は、さらに Puppy Linux においても同様に従来の ath5k ドライバでは動作しなかった ath5k ドライバ対応の無線LANアダプタでも 5GHz 帯で動作させるようにしてみました。
パッチの適用と再ビルド
上記の過去の記事と同じ手順で行いました。ただし Puppy Linux 用に開発用 sfs ファイルをロードするなどの事前準備が必要でした。またカーネルソースも本家本元の "The Linux Kernel Archives" (https://www.kernel.org/) からダウンロードする必要がありました。Puppy Linux の開発環境の準備はネット上に多く存在していますので、検索してください。ath5k ドライバ・モジュールのダウンロード
今回ビルドした ath5k ドライバ・モジュールとパッチを公開します。Puppy Linux Precise 5.7.1 の Linux カーネル 3.2.48 に対応しています。自己責任でどうぞ!次の URL から ath5k.ko ドライバ・モジュールをダウンロードしてください。
ath5k.ko (5GHz 対応パッチ適用)
https://drive.google.com/file/d/0B5QdaY5lu2e3aVg3aXdxWDY0ekU/view?usp=sharing
Puppy Linux 5.7.1 にパッチを当てたソースコードから再度取得し直したパッチです。
base.patch
https://drive.google.com/file/d/0B5QdaY5lu2e3NmMxX01PMlg5eDA/view?usp=sharing
eeprom.patch
https://drive.google.com/file/d/0B5QdaY5lu2e3SkpGN2RPWXQ2X3M/view?usp=sharing
ath5k ドライバ・モジュールのインストール
ath5k ドライバ・モジュールのインストール方法は次の通りです。上記のダウンロード・サイトから ath5k.ko をダウンロードします。
このダウンロードした ath5k.ko を以下の ath5k.ko と入れ替えます。(上書きコピー)
/lib/modules/3.2.48/kernel/drivers/net/wireless/ath/ath5k/ath5k.koモジュールの依存関係の整理を行なってマシンの再起動をしてください。
# cp ath5k.ko /lib/modules/3.2.48/kernel/drivers/net/wireless/ath/ath5k/ath5k.ko
# depmod -a再起動が終わったところで、5GHz 帯の IEEE 802.11 a モードで動作することを確認してください。
# reboot
この ath5k ドライバ・モジュールの使用は自己責任でお願いいたします。動作しなくても泣かないようにお願いします。
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