その後、フラッシュメモリの仕様を確認してみたところ、Intel TE28F160C3DB70 の A19 から A21 のピン配置など(IC のピン番号の 9 番から 15 番にかけて)が、MX 29LV320ABTC-90 や MX 29LV320DBTI-70 と異なっていました。
問題点
一番決定的なことは A19 のアドレスラインでした。Intel TE28F160C3DB70 用に A19 ラインが 15 番ピンに入力されるようになっていました。しかし MX 29LV320ABTC-90 や MX 29LV320DBTI-70 では A19 ラインは 9 番ピンに入力されなくてはなりませんでした。対策
パターンを切断して接続し直そうと思っていたところ、一つの抵抗器(R101)に気づきました。この R101 抵抗器は A19 ラインとして 15 番ピンへ接続されていました。そしてすぐ隣に R48 抵抗器のランドが用意されており、さらにその先が 9 番ピンへ接続されるようになっていました。この抵抗器を接続しなおせば A19 ラインを 9 番ピンへ接続できることを発見しました。どうも Intel のフラッシュメモリと MX などのフラッシュメモリを切り替えるために用意されたもののようです。対策の加工
そこでこの R101 抵抗器を外して、すぐ隣の R48 抵抗器のランドへ取り付けてみました。作業はコテライザーによるホットブローで行いました。 R101 抵抗器をホットブローで外した後、そのまま R48 のランドへ乗せると、R48 のランドのハンダがすでに溶けた状態となっていたため、簡単にハンダ付けが終了しました。元々の状態は R101 へ抵抗器が設置されていました。 |
A19 ラインを切り替えるために R48 へ抵抗器を載せ替えました。 |
フラッシュメモリへ CFE の書き込み
この状態で JTAG でフラッシュメモリへ CFE 部分のみの書き込みを行なってみました。すると先ほど、すぐに書き込みが停止する状態であったものが、256KB の全てを書き込み終わりました。そしてシリアルコンソールからアクセスしてみると、ちゃんと CFE へログインすることができました。上記の R101 から R48 へ抵抗器を移設することでフラッシュメモリが動作するようになりました。
WAP54G 用ファームウェアのインストール
ここからシリアルコンソール上からリンクシス公式の WAP54G のファームウェアをインストールしました。インストールの方法は下記のウェブサイトを参考にしました。Serial Recovery - DD-WRT Wiki
http://www.dd-wrt.com/wiki/index.php/Serial_Recovery
シリアルコンソールを操作しているパソコンで TFTP でファームウェアの転送の準備をします。
$ tftp 192.168.1.245
tftp> binary
tftp> trace
tftp> rexmt 1
tftp> timeout 60
tftp> put LinksysWAP54G_3.04.trx
すぐにシリアルコンソール上で次のコマンドを実行します。(TFTP のタイムアウトの 60 秒以内に実行させます。)
CFE> flash -noheader : flash1.trx
すぐにファームウェアが読み込まれて行きます。そしてフラッシュメモリへの書き込みが終了すると CFE のプロンプトが表示されるようになります。そこで go コマンドを使ってファームウェアを起動させます。
CFE> go
これでファームウェアが起動すれば、インストール成功です。
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