パスワード・ロック状態の ThinkPad X21 を入手しました。 |
状況確認
届いた ThinkPad X21 の外観を早速掃除を行なって、電源を投入してみました。写真のようにパスワードの入力を求める表示が出ていました。表示からパワーオン・パスワードのようです。いくつか ThinkPad に関するパスワードを入力してみましたが、やはりパスワードを解除することはできませんでした。パスワード入力を求めるアイコンが表示されて、これ以上先に進むことができません。 アイコンに SVP の文字がないことからパワーオン・パスワードと思われます。 |
パワーオン・パスワード(POP)の解除
ThinkPad X20 シリーズのパワーオン・パスワード(POP)は駆動用バッテリと電源アダプタを抜き、さらに CMOS 用の電池を抜いて CMOS の値を消去すると消えてしまうはずです。そこで早速 CMOS 用の電池を抜いて CMOS メモリの消去を行なってみました。CMOS 用の電池を取り外したところです。 |
この CMOS 用電池を抜いたまま、電源アダプタを挿入したところ、電源が入らず、内部から何か燃焼した臭いが漂ってきました。非常に焦りました。
かつて ThinkPad i 1620 (ThinkPad X20 と名称違い)でも突然電源が入らなくなり、内部の半導体が燃焼していたことがありました。どうも同じことが起こったようです。というかこの後にも記述しますが、同じ半導体などが焼失していました。
なぜ内部部品が燃えてしまうのか不明です。たまたまなのでしょうか?それとも CMOS 電池を取り外したことと関係があるのでしょうか?
故障箇所の検索
分解して内部の問題箇所を特定する必要があります。早速分解に取り掛かりました。すでに ThinkPad i 1620 で分解していたこともあり、慣れた手つきで分解を進めました。筐体底部に残ったシステムボードの様子です。 |
システムボードを取り外して裏側を確認すると、ThinkPad i 1620 と同じ半導体が焼失しているを発見しました。さらに隣にあるダイオードと思われる部品も焼けていました。もうお先真っ暗です。なおこの半導体の素性は未だに不明です。トランジスタか何かなのでしょうか?ただしピン数が5ピンと多いのでトランジスタを二個内蔵したものではないかと想像しているところです。
(2015-06-27 追記)
どうも焼失した半導体は S-87xxxx シリーズの S-875045CUP-ACA ではないかと思われます。形状は SOT-89-5 だそうです。
ThinkPad i 1620 と同じ半導体が燃えていました。 |
筐体底部には燃えた痕が残っていました。結構な勢いで燃えていたようです。 |
ThinkPad i 1620 の故障 電源入らず! 修理へ
http://near-unix.blogspot.jp/2014/10/thinkpad-i-1620.html
半導体の交換
とりあえず ThinkPad i 1620 のときと同じように半導体を交換してみることとしました。以前部品取り用として入手していた ThinkPad 600 のシステムボードから部品を探してみました。どうも同じ部品は一台に一個しか存在していないようで、以前抜き取った ThinkPad 600 のシステムボードから発見することができませんでした。そこでもう一個ある ThinkPad 600 の部品取り用のシステムボードから半導体を取り出しました。そしてダイオードと思われる部品も一緒に取り外しました。これは明らかに部品の形状が違うため、使用出来るものか不明です。ThinkPad X21 のシステムボードから焼失した部品を撤去しました。 一部パターンを剥がしてしました(涙) |
ThinkPad 600 にある半導体とダイオードです。 |
そして ThinkPad X21 のシステムボードから問題の半導体とダイオードを取り外して、ThinkPad 600 から取り外した部品を移植しました。
ThinkPad 600 から取り外した二個の部品です。 |
ThinkPad X21 へ部品を移植したところです。 |
半導体とダイオードをハンダ付けした後、いつもの作業として電源コネクタのセンターピンの接触不良の対策を行おうとしてパターンを眺めていたところとんでもないものを発見しました。
なんと、この電源コネクタの近くにある型番が読めない3本足の半導体が燃えていました。ここも同時に焼失してしまった模様です。
電源コネクタ近くの燃えた半導体(型番不明)です。 |
部品を取り外してパターンを見ると眺めると二本の足が出ている側のパターンが、この二本の足をそのまま接続するように配置されていました。どうもトランジスタではなく、ダイオードのようなものが取り付けられていたようです。そこでダイオードを取り付けてみましたが、なんと!燃えてしまいました(笑)。
ThinkPad 600 から取り外したダイオードを取り付けてみました。 |
トランジスタとしても、ベースとエミッタをショートさせて、コレクタに向けてダイオードとしての働きをさせているにしても、上記の実験のとおり、上手く動作させることが出来ないようです。
ただ電源コネクタの付近の半導体を外したまま、システムボードへ電源を投入してみると、電源ランプやバッテリの充電ランプが点灯します。さらにキーボードを取り付けて電源ボタンを押してみると、起動する雰囲気はないのですが、その他の LED ランプが一斉に点灯しました。少なくても最初に交換した二個の部品によってかなり動きそうな状態にまでなっているようです。
動作確認のため電源を投入したところです。 電源コネクタの近くの部品が無くても LED ランプは点灯するようになりました。 |
そこで似た回路構成とパターンが使用されている ThinkPad i 1620 を観察してみることとしました。ただし今日はもう二台並行して分解する元気がなかったので、後日分解して確認したいと思っています。
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