CMOS 用電池を交換した後、屋外の天気も良かったことから ThinkPad T23 を分解掃除することとしました。
以前からこの個体は、液晶表示が乱れる現象が発生していました。おそらくどこかのコネクタの接触不良だと思われます。それも画面が乱れるときには、何やらジリジリという異音まで発生していたのでした。そこで一度分解をして、コネクタの接点をアルコールで洗浄するつもりで作業を行いました。
この個体を分解するのは初めてのことでした。ネジの目隠しテープも全て残っている状態でした。これらのテープを剥がして、ネジを外し、順次分解を行いました。分解の要領は、ThinkPad T20 や ThinkPad A22e と一緒でした。
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他の ThinkPad T20 シリーズと同じ要領で分解が出来ました。 |
手の届く所からはエアーダスターの空気圧でホコリを吹き出していましたが、やはり内部にはかなりホコリが溜まっていました。システムボードなどのプリント印刷基盤の表面は、水分で湿らせた刷毛で丁寧に拭き掃除を行なっておきました。
そして筐体は食器洗い用中性洗剤で洗浄しました。気分的にはレンジ周り用の強力アルカリ洗剤で洗いたいところでしたが、金属部品が多くあり、錆などの悪影響が出ても困るため、中性洗剤で洗うだけにとどめておきました。
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筐体は水洗いしました。 |
また冷却ユニットの冷却ファンも綺麗に掃除しておきました。
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冷却ユニットのファンも分解して掃除しました。 |
そして最近必ず行なっている電源ソケットのセンターピンのハンダ付けも行なっておきました。電源プラグの抜き差しも多いことから、単純にハンダ付けするのではなく、リード線の芯線部分で電気を導通させるようにしました。電源プラグを抜き差しを繰り返していると、ハンダ付けの部分に割れ(クラック)が発生して、導通が悪くなってしまう可能性を排除するためでした。
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電源ソケットのセンターピンは酸化皮膜で覆われている状態でした。 綺麗に皮膜部分を取り除いてハンダ付けしました。 |
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単純にハンダ付けするのははく、センターピンとラグ板の間をリード線で繋ぐようにしました。 |
水洗いした筐体が乾いたところで、組み立てを開始しました。
仮組みの状態で動作確認をしてみました。液晶画面が軽くフリッカー状態となるのは冷陰極管が古くなっているためでしょう。
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仮組みで動作確認を行なっているところです。 |
しかしとんでもないことになっていました。液晶画面に横線は入るようになってしまいました。それも画面の左右いっぱいに入るものではなく、途中から 3 分 2 ほど入るのです。どうしたことでしょうか?分解掃除を開始する前は横線が入る現象が無かっただけにがっかりしてしまいました。
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液晶画面に横線が表示されるようになってしまいました。 それも途中から発生しています。 |
液晶パネルのベゼルには三箇所の割れがありました。そこで液晶パネルを分解して、ベゼルの修理を行うことと、何か目視でこの横線の原因となるものが見つかるか調査してみました。
ベゼル部分はプラスチックが劣化しているようで、少し曲がる力が加わると、すぐに折れてしまう状態でした。最初は三箇所だった割れ部分が、五箇所に増えてしまいました(涙)。
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ベゼルの左右の下部の二箇所と左上の角が割れていました。 |
修理はプラモデル用接着剤で接着するのですが、単純に破断面を合わせて接着するだけでは強度が不足するため、裏打ちのプラ板(0.3 ミリ厚)を当てて接着しました。
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白いプラ板がある部分が割れの発生した場所です。 |
しっかり固定したいこともあって、接着剤を多めに使用しましたが、接着剤が表面にはみ出して、みっともない状態となってしまいました。個人的には、これでも愛着が湧いてくるものですが、見慣れないうちは軽いショックがあります(笑)。
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液晶パネルを組み立てなおしたところです。 バゼルの割れた部分にはみ出した接着剤が痛々しいです。 |
それから横線の原因となるものがないか?液晶パネルの裏側を観察してみました。そしてコネクタの接点部分を軽く揺すって接触状態を改善しておきました。しかし仮組みの状態で確認しましたが、横線は改善しませんでした。どうも液晶パネルの内部で問題が発生しているようです。もうこれ以上は手を出せそうにないので、このまま組み立てることとしました。
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液晶パネルは、日立製でした。 |
組立途中で何度か電源を投入しては、動作確認をしながら組み立てました。結局液晶画面の横線は改善されませんでしたが、筐体などは綺麗に掃除が行き届いた状態となりました。
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液晶画面に横線が残りましたが、ThinkPad T23 の分解掃除を終えました。 |