しかし以前の記事のとおり、ThinkPad 360CE のハードディスク(IBM DHAA-2405 , 344MB)は、騒音と動作障害( DriveFitnessTest で障害を確認)のため、CF カードに置き換えていました。前述の記事では、CF カードには新規に MS-DOS 6.2 をインストールしていましたが、この記事では、ハードディスクの中の PC DOS 7.0 を CF カードへインストールしてみることとしました。
すでにハードディスク・パックから取り出しているハードディスクを、いつもハードディスクのメンテナンスで使用しているデスクトップ・パソコンへ接続して、データをイメージコピーすることとしました。
ThinkPad 360CE のハードディスクからイメージデータを吸い出しているところです。 |
ハードディスクは 344MB のため、CF カードは 512 MB のものを用意しました。PartedMagic 上で dd コマンドでハードディスクから CF カードへコピーを行いました。ハードディスクの読み出し速度が遅いのか?、CF カード書き込み速度が遅いのか不明ですが、たった 344 MB のデータのコピーなのにやたらと時間が掛かっていました。
メンテナンス用のマシンに用意してあるメモリカード・スロットでコピーしました。 |
イメージコピーが終了した CF カードを PCMCIA アダプタ経由で ThinkPad 360CE へ装着して起動させてみました。
すると起動途中で「 Missing operating system 」の表示を掲示して停止してしまいました。
MS-DOS などでもこのようなことは、よく発生しています。ブートローダが DOS パーティションを見つけられなかったり、システムファイルを発見できないときに発生してしまいます。DOS の FDISK コマンドに何かの細工があるようで、MBR か PBR に問題が発生するようです。
そこでハードディスクを ThinkPad 360CE へ戻して、起動フロッピーディスクを作成してシステムの修復を行うこととしました。
起動フロッピーの作り方
c:\> FORMAT /S A:
PC DOS 7.0 用に起動フロッピーディスクを作って作業を行いました。 |
システム修復で必要となるコマンドもコピーしておきます。以下が必要なものです。
FDISK.COM
FDISKUS.COM
SYS.COM
FORMAT.COM
XCOPY.EXE
ハードディスクを ThinkPad 360CE から抜き去って、再度 CF カードをハードディスクの IDE コネクタへアダプタ経由で接続します。そして起動フロッピーディスクで ThinkPad 360CE を起動させます。そして FDISK を使って、マスターブートレコードの修復から行ってみます。
A:\> FDISK /MBR
イメージコピーをした 512 MB の CF カードです。 |
上記のコマンド実行後、フロッピーディスクを抜き去り、CF カードから起動させてみます。しかし「 Missing operating system 」で再度停止してしまいました。
次の手段はシステムファイルの修復を SYS コマンドを行ってみました。
A:\> SYS C:
transfered と表示が出て、システムファイルの修復が完了したところで、再度 CF カードから起動させてみました。しかし今回も「 Missing operating system 」で再度停止してしまいました。MS-DOS では SYS コマンドで修復出来ることが多いだけに残念な結果となってしまいました。
この他、CF ブートさせるために、Puppy Linux などにあるブートローダの GRUB4DOS を使って CF カードからの起動を試みましたが、残念ながら起動させることができませんでした。
ここで万策尽きた感じとなってしまいました。
ここでイメージコピーで移行するのではなく、ファイルコピーで移行する方法へ切り替えることとしました。
方法としては、すでに作ってある PC DOS 7.0 の起動フロッピーディスクで ThinkPad 360CE を起動させた後、ハードディスクのところへ装着している CF カードを再度 PC DOS 7.0 の FDISK コマンドで領域を消去して、再度確保しなおします。そしてシステム・フォーマットをし直して CF カードを起動ディスクにしました。
A:\> FDISK
A:\> FORMAT /S C:
CF カードから起動させると、確かに ThinkPad 360CE は起動させることができましたが、システムファイルしか存在しない状態となっています。この起動することが出来る状態の CF カードへ PC DOS 7.0 の各種ソフトウェアや設定データなどを元のハードディスクからファイルコピーをすることとしました。
このコピーのために別途 CF カードを用意して、元のハードディスクの中からすべてのファイルをそのままのツリーのままコピーしました。データ移行用の CF カードを ThinkPad 360CE へアダプタ経由で取り付けて、PC DOS 7.0 の起動フロッピーディスクから起動させました。
データ移動用に使用したのは東芝の 2GB の PCMCIA ハードディスクです。 全域を使用せず、前方の 344MB だけを FAT16 でフォーマットしています。 |
起動が完了したところで XCOPY を使ってファイルコピーを行いました。PCMCIA スロットに差し込んだ CF カードは C: ドライブで、ハードディスクに接続した CF カードは D: ドライブとなっているので、コピー元とコピー先のドライブ名には注意が必要です。
A:\> XCOPY C:\*.* D:\ /E
オプションの /E はサブ/ディレクトリも含めてすべてコピーをする意味です。
この XCOPY コマンドで順調にコピーが開始されました。大量のコピーが完了したところで、フロッピーディスクと PCMCIA カードを抜き去り、恐る恐る再起動させてみました。
無事 ThinkPad 360CE は PC DOS 7.0 で起動することができました。
CF カードで起動させることができた ThinkPad 360CE です。 |
DOS 時代の古いパソコンでは、ハードディスクの劣化も進んでいるため、新しいハードディスクなどへデータの移行が必要なことが増えていると思われます。今回の私の経験がお役に立てばと思っています。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。