現在の状況としては、フラッシュメモリへ JTAG 経由で書き込みをしていると、だんだんとデータの転送速度が低下して、そのうち停止しては再開することを繰り返しています。そして最後にはずっと停止したままの状態となってしまいます。なお停止するのは一時間から二時間程度経過した 10 パーセントほどの書き込みが終わった付近が多いようです。
私の想像では、フラッシュメモリへの書き込み遅延時間が長いものが搭載されていて、書き込みバッファが一杯になると一時的に通信を停止しては書き込みバッファの余裕ができるのを待っているように感じられました。古いフラッシュメモリほど書き込み時間が掛かるものです。
そこでソフトウェアの TJTAG のオプションでワッチドック・タイマーなどを停止する設定を行なってフラッシュメモリへの書き込みを行なってみましたが、結局書き込みが停止することに変わりありませんでした。
そこで今回 WLA-G54 に搭載されているフラッシュメモリ(ST M29W320DT)を他の無線 LAN ルータに設置してあるフラッシュメモリと交換してみてどうなるか検証してみることとしました。
我が家には運良く電源アダプタを間違えて接続して破壊してしまった無線 LAN ルータの WHR-AMG54 があります。ここには MX 29LV320ABTC という 4MB のフラッシュメモリが搭載されています。製造年度からも新しいフラッシュメモリだと思われるため、書き込み速度も向上しているものと思われました。
WHR-AMG54 のプリント印刷基盤の裏面です。 赤いシールが貼り付けてあるのがフラッシュメモリです。 |
赤いシールを剥がしたフラッシュメモリを拡大して撮影したところです。 MX 29LV320ABTC-90 という製品でした。 |
この WHR-AMG54 のフラッシュメモリを引き剥がして、WLA-G54 へ搭載してみることとしました。フラッシュメモリを剥がすのは、最近大活躍のコテライザーです。コテライザーの熱量では不足する場面もありますが、本機の WHR-AMG54 では、すっきりとフラッシュメモリを剥がすことができました。
WHR-AMG54 から引き剥がした MX 29LV320ABTC-90 です。 |
次に WLA-G54 のフラッシュメモリ(ST M29W320DT)を剥がしました。こちらもコテライザーで剥がすことができました。
WLA-G54 に搭載されている ST M29W320DT です。 左側に比較のために MX 29LV320ABTC-90 を置いています。 |
WLA-G54 からフラッシュメモリを剥がしたところです。 |
そして WHR-AMG54 から引き剥がした MX 29LV320ABTC-90 をハンダ付けしました。
WLA-G54 へ MX 29LV320ABTC-90 をハンダ付けしたところです。 |
ハンダ付けが終わった WLA-G54 に JTAG ケーブルを接続して、プローブ動作をさせてみました。新しいフラッシュメモリを認識していました。
早速フラッシュメモリへバックアップしてあった WLA-G54 のデータを書き込みしてみました。この記事を書いている時点ですでに二時間程度の時間が経過していますが、まだ 36 パーセント程度の書き込みの途中です。そして書込み中の速度低下や一時停止などは一切ありません。よどみなく順調に書き込んでいます。
フラッシュメモリが書き終わった後の様子を別途、紹介したします。
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