インストールを行ったマシンは ThinkPad 240 ( 2609-43J ) です。インストールしたのは FreeDOS 1.0 です。ちゃんと PCMCIA 接続の CD-ROM ドライブでもインストールが出来ることを確認しました。しかし完了するまで結構な試行錯誤があり大変でした(笑)。
もともとは Puppy Linux を起動させるつもりだったのですが、フロッピーディスクの DOS ブートで呼び出した KXL-830AN のドライバーなどが、最初に読み込まれる vmlinuz のミニ・カーネルへ制御が移管されると KXL-830AN を見失ってしまいます。そのため起動を途中で停止してしまいます。古い Vine Linux や Turbo Linux では、この KXL-830AN に対応していたらしいのですが、最近の各 Linux ディストリビューションではもう対応していない模様です。この KXL-830AN を使って CD-ROM から Linux を起動させるのは大変難しいものと思われます。
可能性があるとすれば、CD-ROM の内容をハードディスクの予備領域へコピーしたあと、別途予備領域へコピーした CD-ROM の内容の中からインストーラーを起動させる方法しかないようです。
[ FreeDOS の起動フロッピー ]
まずは起動フロッピーの作成です。
パナソニックの公式ウェブサイトの KXL-830AN のページから「起動ディスク作成ツール(ATAPI PC Cardドライブ用)」のツールソフトウェア(F2H_ATAPI.EXE)をダウンロードしてきます。これを Windows マシン上で解凍をすると新しく「F2H」というディレクトリ(ファイルフォルダ)が作られます。この中にある次の三つのファイルを新しくフロッピーディスクへコピーしておきます。
起動ディスク作成ツール(ATAPI PC Cardドライブ用)
http://panasonic.jp/com/support/drive/other/f2h_atapi.html
ATAS365.SYS PCMCIAカードイネーブラ
ATASMGR.SYS カードマネージャー用
KMESATCD.SYS デバイスドライバ
次に FreeDOS の公式ウェブサイトから FreeDOS のブート用フロッピーディスク・イメージ(fdboot.img)をダウンロードしてきます。
FreeDOS 1.0 Floppy
http://www.freedos.org/download/
ダウンロードしてきたフロッピーディスク・イメージ(fdboot.img)を Linux マシン上の dd コマンドでブート用に用意した 2HD フロッピーディスクへ書き込みます。
dd if=fdboot.img of=/dev/fd0
出来上がった起動フロッピーディスクへ先ほど抜き出した KXL-830AN の3種類のドライバ類をコピーします。なおコピーするディレクトリは A:\DRIVER\ となります。
次に KXL-830AN のドライバー類をフロッピーブート時に読み込ませるように FDCONFIG.SYS を編集します。
編集した場所は一行追加と一行修正でした。
★28行目へ追加
345?!DEVICE=A:\DRIVER\ATAS365.SYS /port=190 /mem=D000
★29行目を修正
345?!DEVICEHIGH=A:\DRIVER\XCDROM.SYS /D:FDCD0000
↓
345?!DEVICE=A:\DRIVER\KMESATCD.SYS /D:FDCD0000
以上で FreeDOS の起動フロッピーディスクの準備ができました。
[ FreeDOS のインストール ]
いよいよ FreeDOS のインストールを行ってみます。
KXL-830AN の PCMCIA コネクタをマシンの PC カードソケットへ挿入します。 KXL-830AN の電源は、マシン本体から PCMCIA カードを通じて供給されるようになっています。そのため外部電源の用意は必要ありません。
フロッピーディスク・ドライブへ FreeDOS 起動ディスクを挿入して、マシンの電源を投入します。すると自動的にドライバー類を読み込んで KXL-830AN も稼働状態で起動してきます。起動画面では五つの選択肢が提示されていますが、一番安全な動作をする「5」を選択します。
起動完了直後にはドライブはフロッピーディスク・ドライブの A: となっています。そこで CD-ROM ドライブの X: へ切り替えます。
A:> X:
X:>
そして CD-ROM ドライブ内を DIR コマンドを使って確認してみてください。
X:> DIRすると CD-ROM ドライブの内容が表示されるはずです。
ここで CD-ROM ドライブ内にある SETUP.BAT コマンドでインストールを実施します。
X:> SETUP.BAT
後は、表示される問い合わせに応じて回答する形でインストールが行われます。インストールするソフトウェアも途中で何度も問い合わせがあるため、最初から最後までマシンの前で作業をすることとなります。
なお私がインストールを行った時には、SETUP.BAT のインストール作業の途中で提示されるパーティショニングの FDISK コマンドが上手く動作してくれませんでした。そのため、インストールを中断して、単独に FreeDOS の FDISK コマンドでハードディスクの領域を確保した後に SETUP.BAT によるインストールを実施しました。これで最後までインストールを完了することができました。
Hi,
返信削除Are there any cables that connect kxl-830AN directly to a SCSI port ?
Regards,