入手した PLANEX GW-NS11H です。 |
Intersil 社のチップの Prism3.0 のチップはファームウェアの書き換えでアップデートやアップグレードが可能となっています。そこで本機もファームウェアの書き換えを行ってみることとしました。もちろん WPA2-AES に対応させるためです。
とりあえず動作確認として現状のままパソコンへ差し込んで読み込まれるドライバなどを確認してみました。orinoco_cs ドライバが予想通り読み込まれていました。動作確認のために無線 LAN アクセスポイントの設定を WEP へ変更して動作確認も行っておきました。
動作確認中の GW-NS11H です。 |
なお WPA2-AES に対応できるのは、ファームウェア・バージョンが 1.7.4 以上で、 Prosm2.5 であることとされています。しかし Prism3.0 のチップでは動作が保証されていません。
Prism2.5 のファームウェアを書き換えるツールが用意されている ThinkPad 535X を使ってファームウェアの書き換え作業を行ってみました。
ファームウェアの書き換えで使った ThinkPad 535X です。 |
とりあえず現状のファームウェアを読み出してみました。
C:> FLASH -3V -S
プライマリ・ファームウェア = PK010007.HEX
ステーション・ファームウェア = SF010305.HEX
初期のファームウェアの確認です。 |
となっていました。
以前書き換えを行った二種類の Prism2.5 の無線LANアダプタの初期ファームウェアは以下のとおりです。
I/O DATA WN-B11/PCM PK010005.HEX SF010304.HEX
BUFFALO WLI2-CF-S11 PK010100.HEX SF010804.HEX
I/O DATA の WN-B11/PCM のものより新しいファームウェアが使用されているようです。もしかして、内部のチップは Prism2 ではなく、本当は Prism2.5 ではないかと期待が持てました。
ファームウェアの書き換えツールを使ってバージョン 1.7.4 のファームウェアを書き込んでみました。
C:> FLASH -3V -D PK010101.HEX
C:> FLASH -3V -D SF010704.HEX
ファームウェアの書き換えです。 |
書き換えが正常に行われたか?再度ファームウェアのバージョン確認を行ってみました。
C:> FLASH -3V -S
プライマリ・ファームウェア = PK010101.HEX
ステーション・ファームウェア = SF010704.HEX
ファームウェアの書き換え後にバージョンの確認を行ったところです。 |
書き換えは成功したようです。
早速、Puppy Linux Precise 5.5.0 上で動作確認を行ってみました。
心配していましたが、やはり orinoco_cs ドライバを読み込んでいました。/etc/modprobe.d/blacklist へ orinoco_cs を登録してみましたが、なぜか blacklist の効果がなく、orinoco_cs を読み込んでしまいます。本当は hostap_cs でなければ WPA2-AES の動作をさせることができません。
そこで本機( GW-NS11H )のカード情報を読み取って、そこからドライバを読み出す部分(/lib/modules/3.2.29/modules.alias)に手を加えて hostap_cs を読み込むようにしてみました。
カード情報の 14EA : B001 を頼りにドライバの引き当て部分を探してみると、/lib/modules/3.2.29/modules.alias の 4716 行目に本機の情報がありました。そこで行尾にある orinoco_cs を hostap_cs へ書き換えました。
alias pcmcia:m14EAcB001f*fn*pfn*pa*pb*pc*pd* hostap_cs
パソコンを再起動させて、再度本機( GW-NS11H )をカードスロットへ差し込んでみると、orinoco_cs ではなく hostap_cs ドライバをちゃんと読み込んでいました。しかし本機をドライバが認識していないようです。何らかの問題があって動作していないようです。
やはりファームウェアの書き換えで WPA2-AES の動作させるのは無理だったようです。今後ももう少し調査してみる予定ですが、本機( GW-NS11H )のファームウェアの書き換えは注意した方がよいようです。