2014年9月29日月曜日

ThinkPad i シリーズ 1465 (2621-465) の修理

昨年末に入手したまま放置していた ThinkPad i シリーズ 1465 (2621-465) を修理しました。

今回メンテナンスした ThinkPad i 1465 (2621-465) です。

一番行いたいことは CMOS 用の電池交換でした。そして故障していた USB 端子の修理でした。もちろん内部の掃除も行なっておきました。

実はこの手の ThinkPad を分解するのが初めてでした。一般的な ThinkPad のように底面にあるキーボードを固定してあるネジを外して、キーボードを取り除くことから内部へアクセスする方法ではありませんでした。

IBM のメンテナンス・マニュアルも入手不可能のようなので、ネット上をいろいろと情報を探し回ってみましたが思いの外、情報が少ないのに驚かされました。せいぜいハードディスクの交換まででした。

そしてたどり着いたのが次のウェブサイトでした。情報ありがとうございます。
IBM ThinkPad i1400
http://www.geocities.jp/mgdxyekgr/pc/ibmthinkpadi1400.htm

まずいきなり CD ドライブを壊してしました。上記のウェブサイトへ到達する前に筐体の上下の部品を周囲に爪を押しこんでは順次 鈎を外して分離していました。そこでこのCD ドライブも引っ張れば外れそうだったので引っ張ってみたところ、見事に内部のフレームが壊れてしまいました(涙)。その後、内部に残っていた部品をプラモデル用の接着剤で固定しました。おそらくアクリル樹脂だと思われるので、プラモデル用の接着剤でも接着できました。

壊してしまった CD ドライブのフレームです。
アクリル樹脂と思われたため、プラモデル用の接着剤で固定しました。
結構しっかり固定されています。

そして上記の参考ウェブサイトを参照しながら分解を始めたのですが、いきなり電源ボタンなどが並んだパーツの取り出しに失敗しました。ここでもネジの存在を知らずにそのまま引っ張ったところ隠れていた二箇所のネジの部分が筐体に残ったまま割れた状態となってしまいました。ここでもプラモデル用の接着剤で接着しました。こちらはスチロール樹脂か ABS 系の樹脂と思われました。もうこの時点で心が折れてしまいました(涙)。

ネジの存在に気づかず無理やりパネルを剥がしたところ、ネジを残してパネルが外れました。
残った部品を接着剤で固定しているところです。
電源ボタンのとなりとその対称位置にあるネジはシートの下に隠されています。

この後、キーボードをようやく取り外すことが出来ました。この先には隠しネジのようなものは存在しないので、ネジの位置を確認しながら分解しました。

苦労してキーボードを取り外した状態です。

プロセッサの周囲四カ所を止めているネジを外すと厚てのアルミニウムで出来た冷却板を取り外すことができました。ここで CMOS 用のボタン電池を発見しました。リチウムボタン電池の CR1220 が使用されていました。こんな深い場所に設置されていると、交換や廃棄の時に取り外すことも考慮されていないようです。

アルミニウム製の放熱板を取り外したところです。
冷却板の下に CMOS 用のボタン電池が隠れていました。

そして液晶パネルへ接続しているフレキシブル基板を取り外して、液晶パネルも取り外すことができました。

液晶パネルを固定している筐体のネジの周囲は長い間圧力が加わっていたためか左右とも割れると言うよりは粉砕していました。

粉砕した状態の液晶パネルを固定するネジの周囲の様子です。

そしてようやく筐体の上下の部品を分離することができました。液晶の開閉検知スイッチのリード線とフロッピードライブとシステムボードを接続するフレキシブル基板を取り外しておく必要がありました。

筐体低部とシステムボードの様子です。
筐体上部の裏側です。フロッピードライブが取り付けられています。

筐体底面の部品とシステムボードも何箇所かのネジを外して取り外すことができました。

筐体の低部の様子です。
液晶パネルを支えるのは強度のあるマグネシウム合金のフレームでした。
システムボードの表側です。
システムボードの裏側です。

システムボードの表面と裏面を掃除した後、USB 端子の修理をすることとしました。しかし写真のようにすでに端子が切断されている状態で、周囲の金属フレームの端子も切れていました。どうやら USB 端子に何かを挿したまま外圧が掛かったことが破損の原因のようです。

外圧が加わったのか USB 端子の足が切れていました。

このまま残存しているランドへ端子をハンダ付けする方法も考えられましたが、念の為部品を交換して対処することとしました。

USB 端子を抜き取り、スルーホールも綺麗にしました。

交換用の部品を新調した訳ではなく、動作不良の USB 接続の MO ドライブに設置してあった、シリーズ接続用の端子を取り出して使用することとしました。

左が新しく付けた 4 ピンのものです。
右が元々設置されていた 5 ピンのものです。

取り出した USB コネクタをよく観察すると、もともと設置されていたものは 5 ピンで、これから設置しようとしているものは 4 ピンでした。通常は 4 ピンで十分なはずです。そのまま 1 ピン空いたまま取り付けてみました。

新しく取り付けた USB ポート

後で動作確認をしたところ、動作をしていませんでした。どうも不明の第 5 ピンは第 4 ピンの GND と内部でスイッチ上に接続するようになっていて、USB 端子が挿入されると、それを検知する目的があったようです。後日、再び分解して、第 5 ピンを第 4 ピンの GND に接続してみようと思っています。

USB コネクタの修理の痕、PS/2 マウスのコネクタもハンダが割れているのを発見しました。どうもこのマウスポートも強い外圧が掛かった模様です。

PS/2 マウスポートもハンダが割れていました。

新しい CMOS 用のボタン電池も取り付けて、マシンを組み立ててみました。

電源を投入するとちゃんと起動はしてくれましたが、上記のように USB コネクタは不良のままです。そしてキーボードは動作するのですが、トラックポイントは動作不良の状態でした。マウスは PS/2 端子へ接続して使用することができました。

再組立を行なって起動することを確認しました。
CMOS 電池のエラーもありません。

とりあえず今日はここまでで作業は終了しました。

今回は壊してしまった部分が二箇所もあり、なんだか気の重いメンテナンス作業となってしまいました。せっかくなので笑顔で作業をしたいものです!

おまけ
今日の分解で破損した小さなツメなどの部品類です(笑)。

壊れた小さな部品類です。

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