私自身がパスワード・ロックについての知識が不足していたようで、今回紹介するような本格的な分解はしなくても解除できるパワーオン・パスワード(Power-on passwords)による施錠が行われていました。
パワーオン・パスワードによる施錠のために使用できなくなっている ThinkPad ユーザさんの参考になればと思って記述をしておきます。
なおパワーオン・パスワードの解除の方法は IBM 社のハードウェア・メンテナンス・マニュアルにも記載されています。
以下は ThinkPad R30 の分解作業とパスワード解除までの様子です。
パワーオン・パスワードによる施錠が行われた ThinkPad R30 です。 |
マシンを分解する過程で発見した腐食の様子です。 筐体上部の部品を取り外すのが困難なほどの腐食でした。 |
更に拡大して撮影した腐食の様子です。 アルカリ性洗剤でもこぼしてしまったのでしょうか? この後、ワイヤーブラシで腐食部分を削り落としておきました。 |
冷却用のヒートパイプを取り外したプロセッサの様子です。 システムボードへ直接ハンダ付けする BGA タイプのものでした。 |
ヒートパイプのプロセッサと接触する部分の様子です。 ThinkPad R32 でもグリスの使用がなく、絶縁シートを経由して直接接触するようになっていました。 |
ヒートパイプの先にある冷却ファンの様子です。 エアーダスタでかなり掃除をしていたのですが、こうしてヒートパイプから熱交換をする部分にフェルト状に詰まっていました。 |
取り出したシステムボードの様子です。 |
メモリソケットの近くにパスワードなどを記憶するシリアル EEPROM (ATMEL AT24RF08) が存在しています。 最初はこのシリアル EEPROM からのデータの出力(SDA)を阻害してパスワードを解除しようとしていました。 |
システムボードへキーボードと外部モニタを接続してパスワードの解除に取り掛かりました。 何度も違うタイミングでシリアル EEPROM からのデータを阻害しましたが、パスワードを解除することができませんでした。 パワーオン・パスワードの解除の時には、データを阻害してパスワードを解除するのは出来ないようです。 |
何となくハードウェア・メンテナンス・マニュアルを眺めているとパワーオン・パスワードの解除の方法が記述されているではありませんか! プロセッサの近くにある小さなディップ・スイッチ(SW3)の No.4 の部分をオン(ON)にして電源を投入したところ、パワーオン・パスワードの問い合わせがなく、BIOS に入ることができました。 |
BIOS のセキュリティの中にある Lock BIOS Setting の部分の Enabled を Disabled へ変更して、変更内容を保存して電源を切りました。そして先ほど変更したディップスイッチ(SW3)を元の設定(すべてオフ)に戻して電源を再投入すると、パワーオン・パスワードは解除されていました。 |
CD ドライブからライブ CD で memtets86+ を起動させてみました。 ちゃんと起動しています。 液晶画面はやはり劣化して赤茶色になっていました。写真ではホワイトバランスが効いているのでそこそこの感じに見えます。 |
以前入手していた ThinkPad R30に装着していたハードディスクを移植して Puppy Linux を起動させてみました。ちゃんと起動して、USB や LAN 端子なども正常に動作しているのを確認しました。 F6 のキートップを外してしまったのが、ちょっともったいない感じになってしまいました。 |
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。