2013年2月27日水曜日

ThinkPad 560 で BasicLinux を使う

以前ハードディスクを取り出して debian sarge をインストールしていた ThinkPad 560 ですが、その後 進展がありませんでした。システムのインストールでハードディスクを取り出して、他のマシンへ取り付けて作業を行っていたこともあり、この取り外しの作業にうんざりしていました。そこで何かよい方法がないものかと考えていました。

以前からフロッピーディスクで起動させる BG-Rescue Linux を使うことを考えていましたが、これを上手く使いこなすことができませんでした。バージョン 2.0.0 で USB に大々的に対応したのはよいのですが、ThinkPad 560 には USB 端子がありません。そればかりか pcmcia に非対応になってしまってまったく使いものになりませんでした。ずっと古いバージョンの 1.0.0 を使って有線 LAN 経由でデータの受け渡しをしながらシステムのインストールが出来ないものかと考えていました。

この BG-Rescue Linux でいろいろと検索しているとあの懐かしい Keroppy Linux などのことを思いだしましたが、何故かダウンロードサイトへデータがなく動作の検証もすることもできなくなっていました。

そんな中、発見したのが BasicLinux 3.5 です。BG-Rescue Linux と似ていて、二枚のフロッピーディスクで起動をします。BG-Rescue Linux のカーネルが 2.4 系列という古いものですが、BasicLinux はもっと古い 2.2.26 です。古い ThinkPad を操作するのに相応しい古さです(笑)。そこでシステムのインストールなどで使い物になるのか検証してみました。
BasicLinux 公式ウェブサイト
 http://distro.ibiblio.org/baslinux/

一番の心配ごとは pcmcia に対応して有線 LAN で通信ができるかどうかです。その部分を重点的に検証してみました。


まず BasicLinux 3.5 を二枚のフロッピーディスクへインストールします。BasicLinux の公式ウェブサイトからフロッピーバージョンのものをダウンロードします。解凍して得られたイメージデータのうち、DISK1.IMG を dd コマンドを使ってフロッピーディスクへイメージコピーします。そして DISK2.TGZ を通常の FAT フォーマットしたフロッピーディスクへ単純にコピーしてインストール終了です。

BasicLinux の DISK1 を ThinkPad 560 のフロッピードライブへ挿入して電源を投入します。何の問い合わせもなくどんどん起動してゆきます。そして DISK2 を挿入するように求められますので、そこで DISK1 と DISK2 を入れ替えてリターンキーを押して起動を継続します。最終的に下記のような画面で起動を完了します。


CUI モードでも十分に操作できますが、X も用意されていることから X を起動させて GUI で操作することとしました。起動方法は今ではすっかり忘れ去れてしまった感じとなってしまった startx です。すぐに起動オプションの問い合わせがあります。ThinkPad 560 で大切なことは 800x640x15 で起動しても異常な状態となるため、640x480 (default VGA) を選択して起動する必要があります。他にも設定方法があるのかもしれませんが、標準の選択肢のなかから選べるのはこの一つだけです。他の ThinkPad では 800x640x15 でちゃんと X が起動できるため、この ThinkPad 560 の固有の問題のようです。


pcmcia の有線 LAN を使用するためには pcmcia 関連のモジュールを別途読み込む必要がありました。標準ではサポートされていません。
端末上から次の順番で三つのモジュールを insmod コマンドで読み込みました。

/<#> insmod pcmcia_core
/<#> insmod i82365
/<#> insmod ds

補足:/<#> は BasicLinux のプロンプト表示です。

モジュールがちゃんと読み込めたか lsmod コマンドで確認してみましょう。

これで pcmcia が使用できるはずです。次にカードマネージャーを起動させます。

/<#> cardmgr

すると PC スロットへ挿入済みの NE2000 互換の有線 LAN アダプタを認識して使用可能な状態にしてくれます。BasicLinux では NE2000 互換の有線 LAN アダプタしか対応していないようです。

次にネットワークの設定を DHCP 機能を使って設定します。ルーターなどがあれば自動的に設定データを受け取ってネットワークの設定を行ってくれます。使用するコマンドは dhclient ではなく、簡易型の udhcpc コマンドです。

/<#> udhcpc

設定されたホストアドレスや DNS アドレスなどが表示されるはずです。ここで ping コマンドで通信が開通しているか確認をしてみましょう。

ここまでのことが BG-Rescue Linux で出来なかったところです。私の予想では BG-Rescue Linux は CardBus を装備したノートパソコン以降に対応しているのではないかと思っています。

さて有線 LAN で通信が開通したところでデータの受け渡しを実際に行ってみました。

しかし ftp などメジャーなものが使えません。ftpput という簡易型の ftp クライアントがあるくらいでした。トンネル動作も出来ないようで dd コマンドと組み合わせてハードディスクのイメージデータを転送するなどといった技が使えないようです。その他には wget があるぐらいです。

丹念にコマンドを各ディレクトリ(/bin , /sbin , /usr/bin , /usr/sbin など)を探してゆくと nc (netcat) を発見しました。nc は超単純なデータ転送コマンドですがとても強力なものです。これで ThinkPad 560 のハードディスクのイメージデータをサーバーへ転送実験をしてみることとしました。

コマンドは単純なため、操作するのにちょっとしたコツも必要です。まずイメージデータを受け取るサーバー側でも nc コマンドで待ち受けます。以下のように仮想端末上でコマンド実行して、ThinkPad 560 側からデータが送りつけられてくるのを待ちます。

$ nc -l -p 7000 > thinkpad560-hdd.img

(コマンド解説)nc を待ち受けモードとして、ポート番号は7000番にするものです。そしてパイプを使って thinkpad560-hdd.img というファイル名でデータを保管するという内容です。

サーバー側のマシンの準備が終了したら ThinkPad 560 から nc を使ってハードディスクのイメージデータを発信します。

/<#> dd if=/dev/hda | nc 192.168.24.2 7000

(コマンド解説)dd コマンドでハードディスク(/dev/hda)の全体のデータをイメージデータとして吸いだします。それをパイプを使って nc へ受け渡します。nc 側ではサーバーマシンの IP アドレス(192.168.24.2)へポート7000番で送り出す内容となっています。

このコマンドを実行すると有線 LAN を経由してサーバーマシンへ ThinkPad 560 のハードディスクのイメージデータが転送されて、thinkpad560-hdd.img のファイルとして保存されます。

10 BASE-T の有線 LAN アダプタを使っていることもあって一時間以上もの時間を必要としましたが無事データの転送が終了しました。この転送が完全なものであるか検証するために md5sum コマンドを使用しました。

サーバーマシン側
$ md5sum thinkpad560-hdd.img

ThinkPad 560 側
/<#> md5sum /dev/hda

この両者の計算値(ハッシュ)が同一であれば両者のデータが同一であると証明されます。違っていた場合には転送過程で何らかの障害があったものと想像できます。原因を追求して再度転送をしなおす必要があります。

これでデータの転送に時間が掛かってしまいますが、ThinkPad 560 の分解をしないでシステムのインストールの道が開けました。ThinkPad 365X でも BasicLinux 3.5 を使用して同様のデータ転送が出来ることを確認していますので、意外と多くの古いパソコンでこの技が使用出来ると思います。古いノートパソコンではハードディスクの交換が容易ではないものが多いため、BasicLinux を使った nc 転送の技は汎用性が高いものと思っています。

最後に参考として検証したハードディスクのイメージデータを再度 ThinkPad 560 へ書き戻すコマンド例を提示しておきます。

まず最初に ThinkPad 560 側をリッスンモードで立ち上げておきます。

/<#> nc -l -p 7000 | dd of=/dev/hda

ThinkPad 560 の準備が終了したらサーバーマシンから nc を使ってデータを送り返します。

$ nc 192.168.24.3 7000 < thinkpad560-hdd.img

ThinkPad 560 の IP アドレスが 192.168.24.3 であった時の事例です。ifconfig コマンドで ThinkPad 560 へ設定されている IP アドレスを確認してください。

2013年2月26日火曜日

php 5.4.12 へアップグレード

FreeBSD の ports へ php 5.4.12 が到着していました。
いつものように portupgrade -a で一気に更新しておきました。我が家の環境では動作上の問題はないようです。

2013年2月25日月曜日

IBM 10/100 EtherJet CardBus Adapter

ThinkPad 愛好家として、IBM ブルーのストライプの絵柄を見てついうっかりインターネット・オークションで落札してしまいました(笑)。


届いた商品をよく眺めると Xircom と色違いの同様のカプラーケーブルが付属していました。スリットの部分に二個の LED が埋め込まれているのも同様です。


Puppy Linux 4.3.1 (2012) で認識させてみると、xircom_cb という先日の Xircom RBEM56G-100 と同じドライバを読み込んでいました。そして lspci -v で PC カード情報を読み取ってみたところ下記のとおり Xircom 社の製品であることが判明しました。どうやら IBM 社へ対する相手先生産(OEM生産)のもののようです。
Ethernet controller: Xircom Cardbus Ethernet 10/100 (rev 03)
Subsystem: IBM 10/100 EtherJet Cardbus Adapter

そしてカプラーケーブルのプラグ部分は今までに見たことのない形式のものでした。プラグの接点を保護する金属製のフレームの形状が大きくしっかりしたものとなっていました。これであれば今まで数多く遭遇した接触不良にならないのではないかと期待しました。しかし何とカプラーケーブルの先端にある LED がケーブルの角度などによって点滅をする状態となっていました。どうやらこのプラグの形式でも接触不良が発生することを確認しました。このプラグの接点も針先などを使って起こしてやれば接触が改善される可能性がありますが、いかんせん小さい接点ですので躊躇しているところです。


中古で購入した有線 LAN アダプタのうち、カプラーケーブル方式のものが一様に接触不良となってしまうのはどうしたものでしょうか?販売されて10年以上の時間が経過した製品ですので、プラグを構成するプラスチック樹脂が変形をしてしまって接触不良に至ってしまったのでしょうか?それとも長年接触したまま保管をしていると、接点の金属(金メッキをした燐青銅か?)が変形を記憶してしてしまって電気的接触を維持出来なくなっているのでしょうか?何となく接点の金属が変形してしまったとすると、バネの性質を生かしたまま保管するにはプラグを抜いて、PC カード本体とカプラーケーブルを分離する必要があるのかもしれません。しかし保管方法が悪ければ PC カード本体とカプラーケーブルが別々に行方不明になってしまう危険も付き纏います。ちょっと悩ましいところです。


debian squeeze マイナーアップグレード

久しぶりに大量のアップデートが到着していたと思っていたところ、debian squeeze が 6.0.6 から 6.0.7 へマイナーアップグレードをしていました。

アップグレードの前後で特に変わったところは感じられませんでした。そこがマイナーアップグレードの良さなのですが...

これから手持ちの debian squeeze がインストールされているマシンを次々にアップグレードします。

2013年2月24日日曜日

MITEL 5330 電話機

もう半年ほど前にインターネット・オークションで入手していたものです。電源が PoE だけしか方法がなく、PoE アダプタ(インジェクタ)を入手するのに時間が掛かってしまって、なかなか動作確認ができませんでした。今回非純正品(I/0 DATA POE-PS)ながら PoE アダプタを入手することができたため、設定や動作確認を行ってみました。


電話機の背面の様子は LAN ケーブルと受話器へのケーブルの二本だけしか出ていません。


ネット上を検索すると MITEL の電話機を日本で使用してブログなどに掲載している人は少ないようで、主に海外のブログなどを参考にさせてもらいました。

電話機の設定が SIP 方式となっていないため、まず最初に SIP 方式へモード変更しました。そして電話機に設定した IP アドレスへ直接ブラウザでアクセスを行って細かな設定を行いました。いつも asterisk を操作している人であれば設定できる内容です。特に注意点もありませんでした。

asterisk 経由で内線電話との間で通話試験を行いました。とりあえず問題なく動作してくれました。

MITEL 5330 の使用感ですが、受話器を強く握ってもギシギシと音がすることもなく上質な感じで、音質も大変良いものと感じました。またスピーカーによる音声も聞き取りやすい音質のように感じました。スピーカー使用時のハウリングも比較的抑制されている方だと感じます。


そして着信時には着信音だけでなく、右肩の部分にある LED が赤く点滅して知らせてくれます。


着信音のムービーです。


比較的良好な MITEL 5330 ですが、いくつか気になる点もあります。一つは、電源投入時の起動時間です。およそ三分程度かかります。電源を切っていてすぐに使用しようとした場合、まったく対応ができません。常時電源を入れておけば解決なのですが、電源が入っている状態では正面中央部にある液晶パネルが常に点灯している状態となっています。時間が経過すると明るさが一段暗くなりますが、まったく消灯することはないようです。この液晶パネルが常時点灯していることが気にならない人は常時電源を入れたままでもよいのかもしれません。

とりあえず簡単に使用できるまでに設定したのですが、実は多くの設定項目があり、いろいろな情報を液晶パネルへ表示できるのだそうです。しかしまだそのような設定をするまでには至っていません。そのうち時間が出来たときにでも設定してみようと思っています。

2013年2月23日土曜日

Xircom RBEM56G-100 有線 LAN + モデム アダプタ

Xircom 社の RBEM56G-100 という有線 LAN とモデムのコンボ・アダプタをインターネット・オークションで入手しました。先日も Xircom CEM56-100 有線 LAN とモデムのコンボ・アダプタを入手したばかりですが、今回のものはカプラーケーブルのないタイプ(Dangle-less)のものです。


PC カードの Type 3 という最も厚さのある形状をしていて、よく見かける Type 2 のスロットしか用意されていないノートパソコンでは使用することが出来ない形状となっています。


写真は ThinkPad A22e の PC カードスロットへ挿入したときの様子です。PC カード・スロットの大きさいっぱいのサイズとなっていることが判ると思います。ただこの形状のおかげで LAN ケーブルのソケット部分も PC カード本体の中に装備することが出来るようになったことから、ノート・パソコンからはみ出す部分が無くなっています。これは大きなメリットで、このはみ出しの無さからこの RBEM56G-100 を入手した人も多かったのではないかと想像しています。


ThinkPad A22e で Puppy Linux 4.3.1(2012) と Puppy Linux 5.2.8 で動作確認を行ってみました。
どちらの Puppy Linux でも有線 LAN の部分は xircom_cb というドライバが読み込まれました。先日の Xircom CEM56-100 のものとは違ったドライバでした。ドライバ名の最後にある _cb の文字から CardBus 用のドライバと思われます。このドライバで問題なく通信ができました。ただ Pyppy Linux 4.3.1(2012) も Puppy Linux 5.2.8 の両方において、パソコンを再起動させたところ有線 LAN の自動認識が行われませんでした。なぜか dhclient が上手く動作しないようで、通信不可の状態で立ち上がってしまいます。一度有線 LAN アダプタを抜いて、再度差し直すとちゃんと動作してくれます。原因がどこにあるのか不明ですが常用するにはちょっと不便な有線 LAN アダプタになりそうです。


次にモデム部分の確認を行ってみました。なぜか Puppy Linux 4.3.1(2012) も Puppy Linux 5.2.8 の両方ともモデムの検出の時点でシステム停止(ストール)となってしまいました。そしてアダプタを抜くとシステムは復帰して動作を開始しました。モデム部分は上手く認識をしてくれないようです。先日の Xircom CEM56-100 においてもモデムが上手く動作しなかったことから、Xircom のモデムを動作させるのは難しいかもしれないと感じています。

モデム部分を動作させることを今後の課題としたいと思います。

2013年2月22日金曜日

Laneed LD-CDS 有線 LAN アダプタ

また一つ増えてしまいました(笑)。今回もインターネット・オークションで入手しました。Laneed 社の LD-CDS は 10BASE-T の遅い速度の有線 LAN アダプタとなります。
 
外観は PC カード本体 にカプラーケーブルが附属する構造となっています。このカプラーケーブルのプラグ部分はトラブルが多いので少し心配をしています。


そして表面に貼り付けられている製品シールが表と裏が大変似通っているためどちらが表なのか判りにくいように感じました。


早速 Puppy Linux 5.2.8 上で動作確認をしてみました。通信用のチップは不明ですが NE2000 互換製品のようで pcnet_cs のドライバが読み込まれました。一見問題なく動作しているように見えましたが、次のような bogus packet (異常パケット)を受信していました。原因がこの LD-CDS にあるのかどうかは不明です。
eth5: bogus packet: status=0x80 nxpg=0x53 size=1456




2013-02-23 追加
やはりカプラーケーブルのプラグ部分の接触不良は本機においても発生しました。写真のようにケーブルが水平状態だと接触を保っていますが、ケーブルを持ち上げたり、垂れ下がった状態となると接触不良となり、通信リンクが切れました。残念ながらこの種類のプラグはどれも接触不良となってしまうようです。

2013年2月21日木曜日

iceweasel 19.0 へアップグレード

iceweasel を 18.0.2 から 19.0 へアップグレードしました。

今回のアップグレードでは日本語の言語パック(iceweasel-l10n-ja)もアップグレードとなりました。

私の場合、前回の iceweasel 18.0.2 のときに手動でインストールした言語パックとアップデートの言語パックが干渉してしまって上手くアップグレードできませんでした。

解決方法は単純に言語パックを一旦削除して、再度インストールし直す方法で正常に言語パックをインストールすることができました。
# aptitude remove iceweasel-l10n-ja
# aptitude install iceweasel-l10n-ja
注意:reinstall では上手くアップグレードできませんでした。

そのため、手動で言語パックをインストールしている読者さんは、アップグレードの前に手動で言語パックを削除しておくことをお奨めします。なお私の環境では事前に言語パックを削除して iceweasel 19.0 へアップグレードした後に言語パックをインストールしようとしたところ古いバージョンの二つのモジュールを削除するように求められました。そのまま Yes で進んで、古い二つのモジュールを削除して言語パックをインストールすることに成功しました。
# aptitude install iceweasel-l10n-ja
以下の新規パッケージがインストールされます:
  iceweasel-l10n-ja
以下のパッケージが削除されます:
  libmozjs18d{u} xulrunner-18.0{u}
更新: 0 個、新規インストール: 1 個、削除: 2 個、保留: 0 個。
377 kB のアーカイブを取得する必要があります。展開後に 32.1 MB のディスク領域が解放されます。
先に進みますか? [Y/n/?] y

これで日本語表示による iceweasel 19.0 を使用できるようになりました。


BUFFALO LPC2-T 有線 LAN アダプタ

もう毎日のようにインターネット・オークションで入手した有線 LAN アダプタが届いています。どれだけ入手したら気が済むのでしょうか(笑)。

今日は BUFFALO の LPC2-T です。10BASE-T タイプのものです。ThinkPad X22 の Puppy Linux 5.2.8 で動作確認をしてみました。NE2000 互換の製品のようで pcnet_cs のドライバが読み込まれました。


ただこの製品もカプラーケーブルのプラグ部分の接触が悪いようで、プラグの根元を持って左右に軽く振ると有線 LAN  のリンクが切れてしまいます。写真ではすでに掃除済みですが、PC カード本体とカプラーケーブルの両方を固定するようにテープで固定していた跡が残っていました。このことから以前のオーナーさんのところでも接触不良が発生していたようです。先日のプラネックス社の FNW-3700-T でも同様の症状が発生していることから、この形状のプラグは接触不良が発生しやすいものと思われます。FNW-3700-T のときと同様に針先で接点を起こして接触の改善を図りました。通信が出来るようになると、特に問題もなく動作するようになりました。


この LPC2-T のカード情報を lspcmcia -v コマンドを使って調べてみると「ETHERNET-CARD-UE-2216」の表示がありました。もしかして外観もそっくりな accton 社の有線 LAN アダプタの EN2216-1 と互換品なのかもしれません。

2013年2月20日水曜日

corega Ether II PCC-T 有線 LAN アダプタ

とどまることを知らない有線 LAN アダプタの増加です(笑)


今回もインターネット・オークションで入手しました。corega 社の Ether II PCC-T (CG-E2PCCT) です。それもまだ未開封というものでした。以前のオーナーさんはどうした訳か購入したまま使用せず、保管をしたままとなっていたようです。表面にはシュリンクパックがなされたままの状態です。


側面には大手家電量販店の値段シールも残っていました。当時2400円で販売をされていたようです。メーカー希望小売価格が3000円だったので2割引といったところでしょうか。


早速開梱してみました。久々に未開封のものを開くのは気持ちが善いものです(笑)。写真は梱包箱から取り出した内容物です。有線 LAN アダプタ本体の他、マニュアルやドライバが入ったフロッピーディスクが有りました。フロッピーディスクは二枚で、いわゆる DOS/V 機用のものと PC-98 機用のものの二種類でした。この辺も時代を感じるものがあります。


有線 LAN カードの本体のケーブル差し込み口の様子です。とても小さなコネクタで接続するようになっています。このコネクタもこの時期のものにしかないようです。


これはカプラーケーブルの先端のソケットの部分です。電気信号が通る四本の接点しか用意されていませんでした。意外と合理的な造りとなっています。


パソコンの ThinkPad 240 へ挿入して Puppy Linux 4.3.1 (2012) で動作確認をしてみました。NE2000 互換の製品として認識されて pcnet_cs のドライバが読み込まれていました。通信動作にも異常はなく、正常に通信をしていました。通信中は端面にある二種類の LED が点滅をしていました。


この PCC-T (CG-E2PCCT) には DOS 用のドライバが準備されていないようです。メーカーのウェブサイトにも DOS への対応の記述がありませんでした。通信用のチップは TAMARACK TC3299A との記述があり、これ専用で DOS 用のドライバは存在していないようです。ただ NE2000 互換の製品のため、他の NE2000 互換の製品のドライバで稼動させることも可能かもしれません。

そして10年以上前に購入していた同じメーカーの PCC-TD (CG-EPCCTD) との比較です。通信用のチップは同じ TAMARACK TC3299A を使用しているそうで、Dangle-less タイプか否かの違いです。購入当時もカプラーケーブルのあるものではなく、こちら選んだのはやはりケーブルによる障害を嫌ったためでした。しかし今回この PCC-T を使用してみると、大きなコネクタもなく細いケーブルがすっきりと出ているだけで、コネクタが手に干渉したりしないので使いやすい製品のように感じました。こんに使い易いものであればこの PCC-T の方を購入しておけばよかったと思っている次第です。


Puppy Linux 5.2.8 で CardBus 認識異常

最近 PC カードの有線 LAN アダプタを次々と入手しています。これため有線 LAN アダプタの試験を行うために各種 ThinkPad へ差し込んでみました。そのときたまたま発見したことです。

具体的には Puppy Linux の 5.2.8 のバージョンにおいて、いくつかの ThinkPad は PC カードのうち、CardBus タイプのものしか認識しない不具合があることを発見しました。古い 16bit の規格の PCMCIA のカードを認識しないのです。Puppy Linux 4.3.1 (2012) などではこのようなことは無いため、Puppy Linux 5.2.8 固有のものと思われます。

ただ厄介なのはすべての ThinkPad で同様の症状が発生する訳ではないようです。どうも CardBus bridge のチップと関連をしているようにも思われます。私の所有しているいくつかの ThinkPad を調べた結果が以下のとおりです。なお以下のいずれの機種においても Puppy Linux 4.3.1 では認識できました。

ThinkPad 240 -- TI PCI1211 -- 認識せず
ThinkPad 570 -- TI PCI1450 -- 認識せず
ThinkPad A22e -- TI PCI1410 -- 認識せず
ThinkPad X22 -- Ricoh RL5c476II -- 認識する
ThinkPad X40 -- Ricoh RL5c476II -- 認識する
ThinkPad X31 -- Ricoh RL5c476II -- 認識する
ThinkPad T30 -- TI 1520 -- 認識する

どうも Texas Insruments 社の CardBus bridge のチップで認識しないことが多いようです。ただ ThinkPad T30 のように認識するものもあるため、すべてではないようです。

もし Puppy Linux 5.2.8 において古い規格の PCMCIA カードを認識しない場合には、パソコンに使用されているチップを調査してみることをお推めします。調査方法は lspci コマンドです。CardBus と記述のある項目を調べてみてください。

2013年2月19日火曜日

Xircom CEM56-100 有線LAN + モデム アダプタ

これも PLANEX FNW-3600-TX と一緒に同じ出品者さんから購入した Xircom CEM56-100 有線LAN + モデム アダプタです。


これは 10BASE-T と 100BASE-TX 両用の有線 LAN と 56Kbps モデムが一体となった PC カードです。全くの興味本位で入手してみました(笑)。


カプラーケーブルは PC カードの先端部分へ有線 LAN 用とモデム用 の二本を装着する構造になっています。一応カプラーケーブルの先のプラスチック樹脂の形成色と噛み合う形状を微妙に変えてありますが、誤挿入の心配は残ります。注意して間違えのないように挿入する必要があるようです。


早速 Puppy Linux 4.3.1 (2012) 上で動作確認をしてみました。有線 LAN の部分は xirc2ps_cs というドライバで認識されました。

動作を開始するとカプラーケーブルの LAN ソケットの部分にあるスリット(隙間)から二色の LED が点滅するようになっていました。視認性はあまり良くはないのですが、お洒落な構造となっています。通信障害などで動作確認をする以外は、これらの LED 類は演出と考えた方がよさそうなので、このようなデザインを好む人も多いと思われます。


次にモデム部分の確認を行ってみました。 Puppy Linux 上ではモデムとして ttyS3 として認識したのですが、なぜかダイヤル部分から上手く通信が出来ませんでした。モデムの初期化などの工夫が必要なのか不明です。追って調査をしてみたいと思っています。

PLANEX FNW-3600-TX 有線LANアダプタ

再びインターネット・オークションで表題の PLANEX FNW-3600 -TX 有線 LAN アダプタを入手しました。


この製品も DOS 対応の有線 LAN アダプタです。それも先日入手した FNW-3700-T と同様に 10BASE-T と 100BASE-TX に対応しています。そして形状は Dangle-less タイプと呼ばれているカプラ・ケーブルのない LAN ソケット一体型となっています。この一体型のものはカプラ・ケーブルの接触不良や断線、そして紛失の心配がないことが特徴です。しかしこの一体型の有線 LAN アダプタは形状が大きくなることから、パソコンの PC カード挿入口の場所によっては手に当たって邪魔になることもあります。しかしメリットの方が多いので、この一体型を好む人は多いようです。


早速入手した FNW-3600-TX をパソコンへ装着して動作確認をしてみました。まずは Puppy Linux 4.3.1 (2012) で様子をみてみました。オーソドックスな NE2000 互換の pcnet_cs のドライバ・モジュールで認識されました。通信も問題なく動作していました。参考までに dmesg 上では DL10022 rev 05 の表示があったことから Dlink 社の DL10022 チップを使用している模様です。

次に DOS 上での確認も行ってみました。プラネックス社の公式ホームページからドライバをダウンロードしてきました。一番初期のバージョン 1.0 のドライバ(fnw-3600tx.exe)を使用しました。

http://www.planex.co.jp/support/download/lanadapter/fnw-3600-tx/driver.shtml

MS-DOS 上では自動解凍することが出来ず、Windows のマシン上で解凍を行った後、 DOS マシンへフロッピーディスクで移動させました。パケット・ドライバは PKTDRV ディレクトリの中にある LE100PD.COM です。ポイント・イネーブラーが存在していなかったため、同じメーカーの ENW-3501-T に附属のイネーブラーを流用しました。

最初にポイント・イネーブラー を実行して、引き続きパケット・ドライバーを起動させると無事に家庭内 LAN へ接続できるようになりました。


これでまた有線 LAN アダプタのコレクションが増えました。

2013年2月16日土曜日

PLANEX FNW-3700-T 有線 LAN アダプタ

プラネックスコミュニケーション社の有線LANアダプタの FNW-3700-T をインターネット・オークションで入手しました。


この製品も DOS で動作するパケットドライバーがメーカー側で用意されているものです。最近は DOS でも動作する PC カードをせっせと入手している状況です。いずれ対応製品がインターネット・オークションのような中古市場からも姿を消してしまう可能性があるため、入手できるときにいろいろな製品を入手しておきたいとの思いがあってのことです。

動作確認のために MS-DOS がインストールされている ThinkPad 560 の PC スロットへ差し込んでみました。ドライバが記録されているフロッピーディスクからイネーブラーとパケットドライバーをコピー・インストールを行いました。

イネーブラーとパケットドライバーを手動で組み込んでみるとちゃんと認識をして FNW3700-T の設定も行われました。


LNET で自宅サーバーへ telnet 接続を試みてみました。ちゃんと接続ができて動作確認もとれました。しかしケーブルに手が触れたところ回線が切断されてしまいました。調査してみたところ、接続コネクタの部分が接触不良となっているようです。PC カードでよく使用されているコネクタですが、古いものは接触不良となってしまうものが多いようです。


私はいつも押しピンなどの針先でこのコネクタの接点部分をほんの少し起こして接触を回復させています。接点金属とプラスチックのフレームの間に針先をゆっくり差し込むようにして接点を起こします。力が入り過ぎると一気に押しピンが奥まで入ってしまって接点金属がねじ曲がってしまうことがあるので注意が必要です。接点不良に悩まされている読者さんがいらっしゃいましたら一度試してみてください。


この接点の復活作業によって接点不良が解消されて正常に動作するようになりました。


この FNW-3700-T は 10BASE-T と 100BASE-TX の二つに対応した有線 LANアダプタのため、DOS 対応製品としては高速でネットワークが使用できるものとなっています。DOS を使うパソコンでネットワークの速度を求めるものは少ないと思いますが、必要とする人にとっては貴重なものかもしれません。
写真の中央部の LED が点灯しているときは 100BASE-TX で接続していることを示しています。


なお Linux 上では Asix AX88190 と認識されて、axnet_cs ドライバ・モジュールが使用されます。

2013年2月15日金曜日

神過ぎる梱包 aiwa PV-JF3356

インターネット・オークションにて PC カード・モデム(aiwa PV-JF3356)を購入しました。発送方法はクロネコ・メール便でそれも1センチのものでした。1センチの厚さに抑えるために写真のような苦労をされていました。まさに神様でした(笑)。

PC カード・モデム本体はプチプチで包むというオーソドックスなものですが、ケーブルがすごいことになっていました。先端のジャック部分は輸送中の衝撃で破損しないように、ボール紙の部分をくり抜き、プチプチで保護するという念の入れようです。私もインターネット・オークションへ出品をして発送を行っていますが、ここまでのことはしていませんでした。出品者さんの執念さえ感じる梱包に感謝感激です。


さて届いた PC カード・モデムですが、動作確認をしてみました。無事に動作しました。この製品の特徴は、写真のように専用のケーブルの根元には三つの LED があり、動作状況が確認できるようになっているところでしょうか。LED が無くても特に困ることはないのですが、見ていて楽しいものがあります。一種の演出といったところでしょう。


そしてこれがコネクタの部分です。意外とピン数は少なく五本となっていました。二本は電話線へつながっているものと思われ、残りの三本が LED 用だと思われます。五本のピンの左右に大きく太いガイドピンが二本ありますが、ここがグランドライン または Vccラインになっているものと思われます。(おそらく LED ドライバ IC はオープン・コレクタのトランジスタと思われますので、Vccラインの可能性が高いと思います。)


このモデムカードの唯一の欠点は、ケーブルが横向きに取り付けられていることで、パソコンによっては、イジェクト・ボタンを押し辛いようです。写真の ThinkPad 570 ではボールペンのペン先でイジェクト・ボタンを操作することとなりました。もちろん専用ケーブルを先に抜き取ってイジェクト・ボタンを操作すればよいのですが。

iceweasel 18.0.2 へ日本語パック到着

先日 .xpi パッケージで仮にインストールしていた iceweasel の日本語の言語パック (iceweasel-l10n-ja) が正式に到着していました。

iceweasel 18.0.2 のアップデートの際に削除されていた iceweasel-l10n-ja を再インストールしました。単純に上書きインストールとなりましたが、問題なく動作しています。
# aptitude install iceweasel-l10n-ja
今からアップデートをする読者さんは、自動的に新しいバージョンの言語パックへアップデートされますので、再インストールは必要ありません。

なお到着した言語パックは iceweasel のものだけで、icedove のものはまだのようです。

2013年2月12日火曜日

アライドテレシス LA-PCM-T 有線LANアダプタ

インターネット・オークションで表題のアライドテレシス CentreCOM LA-PCM-T 有線LANアダプタを入手しました。今更ですが 10BASE-T のものです。DOS 用のパケットドライバーも存在するようなので入手したものです。最近何かと古いパソコンが増えてきたので、こうした DOS 環境に適用した周辺機器も手に入るうちに購入しておきたいと思っています。


外観の特徴は PC カード 本体から伸びているカプラーのソケット部分です。他の有線LANカードのカプラーよりも大きく、私が所有している中で一番大きかった Pci 社のものよりも巨大でした。写真の一番上が LA-PCM-T のもので、一番下が Pci 社のものです。中央のものが平均的な大きさのものです。これだけ大きいと邪魔にはなりますが、何か安心感もあります(笑)。


早速 MS-DOS をインストールしてある ThinkPad 535X で動作確認をしてみました。現在もアライドテレシス社のウェブサイトから各種ドライバーやマニュアルがダウンロードができました。こうした終了品にもずっと対応してくれるメーカーは何かと応援をしたいものです。

イネーブラーで LA-PCM-T を認識させて、パケットドライバー経由で LNET で telnet 接続を試みたところ接続できません。いろいろ調べてみるとパケットドライバーは他社のものとは少し様子がことなるようで、パケットドライバーの上流に TCP/IP を制御するドライバーが必要のようです。しかしこのドライバーは有料で販売終了になっているようです。どうも MS-DOS 上で使用するには NDIS ラッパー方式で接続をしなければならないようでした。詳しくは別途調査してみたいと思っています。

MS-DOS ですぐに使えないということが判明しましたので、linux での動作を確認してみることとしました。

debian squeeze をインストールしてある ThinkPad T30 へ挿入してみると LA-PCM.cis という専用のファームウェアが必要であるととdmesg 上に警告が出ていました。これもネット上を検索してみるとパッケージとして用意されていることが判明して、すぐにインストールをしてみました。
# aptitude install firmware-linux-free

ファームウェアのインストール後に再度 LA-PCM-T を差し直すとちゃんと NE2000 互換の有線LANアダプタであると認識してくれました。また通信も正常にできました。これで入手した LA-PCM-T が動作品であることが判りました。

debian squeeze で動作しましたので、当然のように Puppy Linux でも動作するものと思っていましたが、なぜか動作してくれませんでした。ちゃんとファームウェア LA-PCM.cis は /lib/firmware/cis/ に存在していて、認識しないはずはないのですが、なぜか認識してくれませんでした。

Puppy Linux 4.3.1(2012) と 5.2.8 で動作しないことが確認できたところで、何となく古い 3.01 で動作確認をしてみたところ、ちゃんと認識をして動作してくれました。この違いは何が原因なのでしょうか?どうも最近のバージョンの Puppy Linux で動作をしてくれないようです。古いパソコンで使うことの多い Puppy Linux でこんな症状が出てしまうとは困ってしまいました。他にも Puppy Linux で動作する有線LANアダプターはいくつも所有しているので、本当は困ることもないのですが、このような不対応な古い機器が増えてくるのが心配でなりませんでした。