WPC54G V2 の表面 |
WPC54G V2 の裏面 |
この WPC54G Ver.2 (以下 WPC54G V2 と表記)は、今まで手元に持っていた同社の WPC54GS とは違ったチップセットを使用している製品で、そのまま Debian Wheezy のマシンでは使用できないものでした。外観がそっくりなだけに、間違えてしまいそうです。
WPC54GS Broadcom BCM4306 rev.03
WPC54G V2 Texas Instruments ACX 111
上が WPC54GS、下が WPC54G V2 |
WPC54GS では、b43 ファームウェアを apt-get でインストールするだけで使用することができました。
ファームウェアのインストール例
# apt-get install firmware-b43-installer
しかし WPC54G V2 はファームウェアのダウンロードの他、ドライバのビルドも必要でした。Debian Wiki に詳細な説明がありましたので、これを参考にしてインストールすることができました。ただ現時点では Debian Wiki の記述に若干の間違えがあり、そのままではドライバのインストールができませんでした。その注意点も併せて記述しておきますので参考にしてください。
参考 URL Debian Wiki acx
https://wiki.debian.org/acx
まず専用のファームウェアのダウンロードをします。これもファームウェアを保存している /lib/firmware/ のディレクトリではなく、別の場所にダウンロードすることに注意が必要です。
$ su 特権ユーザに昇格します。
パスワード:
# mkdir /usr/local/lib/firmware ダウンロードディレクトリを作ります。
# for i in "" c16 c17 r16 r17 ; do wget -P /usr/local/lib/firmware
ファームウェアのダウンロード中の様子です。
http://acx100.erley.org/fw/acx111_1.2.1.34/tiacx111$i ; done
2014-06-21 13:15:23 (171 MB/s) - `/usr/local/lib/firmware/tiacx111r16' へ保存完 了 [7204/7204]
--2014-06-21 13:15:23-- http://acx100.erley.org/fw/acx111_1.2.1.34/tiacx111r17
acx100.erley.org (acx100.erley.org) をDNSに問いあわせています... 2600:3c03::f03c:91ff:fe96:4743, 97.107.129.9, 173.255.225.22
acx100.erley.org (acx100.erley.org)|2600:3c03::f03c:91ff:fe96:4743|:80 に接続し ています... 失敗しました: 接続を拒否されました.
acx100.erley.org (acx100.erley.org)|97.107.129.9|:80 に接続しています... 接続し ました。
HTTP による接続要求を送信しました、応答を待っています... 200 OK
長さ: 8952 (8.7K) [application/octet-stream]
`/usr/local/lib/firmware/tiacx111r17' に保存中
100%[======================================>] 8,952 --.-K/s 時間 0s
ドライバのビルドを行います。DKMS システムを使って自動的にビルドするようになっています。
# aptitude install dkms git && exit
以下の新規パッケージがインストールされます:
dkms git git-man{a} liberror-perl{a} rsync{a}
更新: 0 個、新規インストール: 5 個、削除: 0 個、保留: 0 個。
8,096 k バイトのアーカイブを取得する必要があります。展開後に 15.5 M バイトのディスク領域が新たに消費されます。
先に進みますか? [Y/n/?]
↓↓途中表示省略↓↓
dkms (2.2.0.3-1.2) を設定しています ...
liberror-perl (0.17-1) を設定しています ...
git-man (1:1.7.10.4-1+wheezy1) を設定しています ...
git (1:1.7.10.4-1+wheezy1) を設定しています ...
rsync (3.0.9-4) を設定しています ...
update-rc.d: using dependency based boot sequencing
exit (注意)exit コマンドで特権ユーザから一般ユーザに降格しています。
一般ユーザのディレクトリ内でドライバのソースコードを git でダウンロードしてきます。このとき Debian Wiki に記述に間違えがありました。ダウンロードして作るディレクトリ名を acx100-acx-mac80211 ではなく acx-mac80211 としてください。
$ git clone git://git.code.sf.net/p/acx100/acx-mac80211 acx-mac80211
Cloning into 'acx-mac80211'...
remote: Counting objects: 7427, done.
remote: Compressing objects: 100% (2346/2346), done.
remote: Total 7427 (delta 5684), reused 6596 (delta 5075)
Receiving objects: 100% (7427/7427), 3.15 MiB | 822 KiB/s, done.
Resolving deltas: 100% (5684/5684), done.
ここから再び特権ユーザに昇格してビルド作業を続行します。まず最初にダウンロードしてきたドライバのソースコードを /usr/src のディレクトリ内へ移動させます。
$ su
パスワード:
# mv acx-mac80211 /usr/src/acx-mac80211-git
DKMS を使ってソースコードをモジュールへ追加します。
# dkms add -m acx-mac80211 -v git
Creating symlink /var/lib/dkms/acx-mac80211/git/source ->
/usr/src/acx-mac80211-git
DKMS: add completed.
DKMS でドライバのビルドを行います。
# dkms build -m acx-mac80211 -v git
Kernel preparation unnecessary for this kernel. Skipping...
Building module:
cleaning build area....
'make' all KVERSION=3.2.0-4-486..........
cleaning build area....
DKMS: build completed.
DKMS でドライバをインストールします。
# dkms install -m acx-mac80211 -v git
acx-mac80211:
Running module version sanity check.
- Original module
- No original module exists within this kernel
- Installation
- Installing to /lib/modules/3.2.0-4-486/updates/dkms/
depmod........
DKMS: install completed.
modprobe コマンドでドライバをカーネルへ取り込みます。
# modprobe acx-mac80211
これで WPC54G V2 を認識できれば、ドライバのインストール成功です。
また一枚、無線LANアダプタのコレクションが増えました。
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