そこで今回は、かなり以前に入手したまま放置していた IEEE 802.11 a/b/g に対応した mini-PCI の無線 LAN カードを使ってみることとしました。
今回使用するのは Broadcom 社の 4309 チップが搭載されたものです。カード上には IEEE 802.11 a/b/g の文字は見当たりませんが、MAC アドレスが二種類記載されているなど、IEEE 802.11 a/b/g に対応していることを伺わせるものでした。
mini PCI の無線LANカードを比較的簡単に交換しやすい ThinkPad X40 で動作確認を行うこととしました。
底面にある蓋を開くと、無線 LAN カードを装着する mini PCI スロットが見えます。以前からここに装着していた BCM4306 チップが搭載された無線 LAN カードを取り外して、今回 BCM4309 チップが搭載された無線 LAN カードを装着しました。なお動作確認を行う ThinkPad X40 の BIOS には、エラー 1802 を回避するパッチを適用済みです。
BCM4309 チップの無線 LAN カードを装着したところで、マシンを起動させてみました。オペレーション・システムは Debian Wheezy です。
問題なく起動をして、無線LAN環境にも接続出来ました。ただし認識出来たのは IEEE 802.11 b/g モードだけで、IEEE 802.11 a の 5GHz 帯は認識出来ませんでした。
どうも Debian Wheezy の環境では IEEE 802.11 a のモードでは動作しないようです。
なお lspci コマンドで無線LANカードの情報を読み取ってみると、何と! BCM4309 ではなく、BCM4306 と認識されていました。どうも BCM4309 チップは BCM4306 チップの改良型のようで、ドライバの制御が IEEE 802.11 b/g モードしか対応していないことが原因のようです。
lspci の結果
02:02.0 Network controller: Broadcom Corporation BCM4306 802.11a/b/g (rev 03)dmesg | grep b43 の結果(ファームウェアのロード状況)
b43-phy0: Broadcom 4306 WLAN found (core revision 5)
Registered led device: b43-phy0::tx
Registered led device: b43-phy0::rx
Registered led device: b43-phy0::radio
b43 ssb0:0: firmware: agent loaded b43/ucode5.fw into memory
b43 ssb0:0: firmware: agent loaded b43/pcm5.fw into memory
b43 ssb0:0: firmware: agent loaded b43/b0g0initvals5.fw into memory
b43 ssb0:0: firmware: agent loaded b43/b0g0bsinitvals5.fw into memory
b43-phy0: Loading firmware version 666.2 (2011-02-23 01:15:07)
以下のウェブサイトにもブロードコム社のチップについての Debian の対応状況が記述されていますが、BCM4309 については "only the 2.4GHz part" と 2.4GHz の IEEE 802.11 b/g の部分しか動作しないとなっていました(涙)。残念ながら、この BCM4309 チップ搭載の無線LANカードによる IEEE 802.11 a モードによる通信は諦めるしかないようです。
(参考)Broadcom BCM43xx: installazione e configurazione
http://guide.debianizzati.org/index.php/Broadcom_BCM43xx:_installazione_e_configurazione
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