前回はFreeNAS をハードディスクへインストールしました。(FreeNAS をインストールしてみました (2))今回はWindows マシンなどからファイルサーバーとして使えるように設定を行います。
まず最初にしておく設定は IP アドレスの設定です。自由にふらふらと IP アドレスが変更されてしまう可能性のある DHCP による設定から FreeNAS がインストールされたマシン自体が IP アドレスを固定する設定にします。
FreeNAS のマシンを立ち上げて Console setup の選択から 2) Set LAN IP address を選択します。
ここで次々に問い合わせが表示されますので順次答えてゆくだけです。
しかしはじめてこのような設定を行う人は以下のような注意が必要です。
この IP アドレスの設定を行う前に、この FreeNAS の IP アドレスを決定しておく必要があります。
すでにブロードバンドルーターなどを使用していると想定しています。ブロードバンドルーターの設定で家庭内の LAN の 4桁の IP アドレスのうち上位3桁の数字は決まってしまいます。192.168.*1.*2 となります。*1 はブロードバンドルーターが使用しているものと同じ番号を必ず使用しなければなりません。
そして最下位の *2 はブロードバンドルーターが DHCP 機能として設定しない番号を割り当てます。これはブロードバンドルーターの説明書の DHCP の項目のところに割り当ての範囲が示されています。またブロードバンドルーター自身に割り当てられていると思われる "1" も使用不可です。さらに最終番号となる "255" も使用不可となっています。その他 IP アドレスを固定して使用している機器があればその番号も使用不可となります。
設定する IP アドレスが決定すると後は簡単です。順次設定を行ってゆくだけです。
(1)最初に DHCP による設定を行うかと問い合わせてきますので [NO] を選択して次に進みます。
(2) IP アドレスを入力するように求めてきますので、上記で決定した4桁の IP アドレス 192.168.*1.*2 を入力します。4桁の各桁の区切りにはピリオード "." を必ず挿入します。
(3) ネットマスクの設定を行います。ここでは "24" を入力します。
(4) ゲートウェイの設定を行います。ブロードバンドルーターの IP アドレスを入力します。通常は 192.168.*1.1 となります。
(5) DNS サーバーの設定です。これもブロードバンドルーターの IP アドレスを入力します。通常は 192.168.*1.1 となります。
まれに契約しているインターネットプロバイダーの DNS サーバーの IP アドレスを入力しなければならないこともあります。通常はブロードバンドルーターが中継をしてくれるように設定されているものが多いのでブロードバンドルーターの IP アドレスを設定して大丈夫です。
(7) IPv6 の設定項目となりますが普通の家庭内 LAN では必要ないため [NO] で抜けます。これで IP アドレスの設定は終了となります。
これでいよいよ本格的な設定を行います。設定は通常使用するパソコンからウェブブラウザ(インターネットエクスプローラやファイヤーフォックスなど)で行います。
ウェブブラウザのアドレス欄へ FreeNAS マシンの IP アドレス 192.168.*1.*2 を入力します。ウェブブラウザが不足している文字を補完して自動的に FreeNAS へ接続を行ってくれます。
まず最初にユーザー名とパスワードの入力が求められます。初期値は、ユーザー名= admin 、パスワード= freenas を入力します。すると管理画面へ進むことができます。
管理画面で最初に行うのが System / General です。ここで基本的な入力を行います。また日本語表示に切り換えることもここで出来ます。
日本語に切り換えるには System / General / WebGUI / Language で Japanese を選択して最下部の Save のボタンを押します。これで日本語に切り替わります。以下は日本語表示に切り換えたときの表記で説明を続けます。
もしもホスト名やドメイン名がある場合にはこの システム / 基本設定 で行っておきます。
時間の表示については システム / タイムゾーン の項目で Asia/Tokyo を選択しておきます。時刻合わせを自動で行いたい場合には NTPを有効化 にチェックをいれます。初期値で入っている NTP サーバーでも構わないのですが日本のどこかのタイムサーバーを利用することもできます。
その他設定項目がありますが、基本的に意味も解らず変更することは間違えの元です。
次にハードディスクの設定を行います。ここではどのハードディスクのどこの部分を使うのかを決めるものです。最低限の2段階の作業を行います。
メニューから ディスク / マネージメント を選択します。
表が表示されますが、まだハードディスクの設定が行われていないために空欄となっています。この空欄の右下に灰色のプラスマークをクリックしてハードディスクの設定を行います。
ディスク で使用するハードディスクを選択します。1個しか搭載されていない場合には1個しか表示されません。この選択を行ったら左下の 保存 のボタンをクリックして設定を保存します。設定が保存されると自動的にこの設定画面から抜けます。
元の ディスク / マネージメント の項目に戻ったところで 変更の適用 のボタンをクリックして変更を確定します。これでどのハードディスクを使用するのかを決定しました。
引き続きメニューから ディスク / マウントポイント の項目を選択します。ここでは先ほど設定したハードディスクをどのように使用するのかを設定します。
ここでも何もない一覧が最初に表示されます。前述と同様に右下のプラスマークをクリックして設定画面に入ります。ここで FreeNAS のシステムをインストールしたときに表示された情報が役立ちます。インストールするときにはメモをしておくことをお勧めしますが、ほとんど同じ設定だと思いますので、このまま鵜呑みで作業をしても大丈夫だと思います。
- タイプ=ディスク
- ディスク=ad0: ****MB
- パーティションタイプ=MBRパーティション
- パーティション番号=2
- ファイルシステム=UFS
- マウントポイント=netdisk (ここは自分で名前を決定する部分です。)
その他の項目は初期値のままで大丈夫です。
これで左下の 保存 をクリックして設定を確定します。
ディスク / マウントポイント / マネージメント の表示画面に戻ると表に一つ項目が追加されていますが、この内容を確定するために 変更の適用 ボタンをクリックします。
これでハードディスクの部分の準備までができました。
さていよいよ肝の部分となる samba の設定を行います。samba とは windows のネットファイルシステムに互換の環境を提供するソフトウェアのことです。ここも二段階で設定を行います。
サービス / CIFS/SMB の項目を選択します。この中で各項目を順次設定します。
全体がグレーで表示されていて入力が出来ないようになっています。右上にある有効のチェックボックスにチェックを入れると設定が出来るようになります。
- 認証=匿名
- NetBIOS 名=freenas (自分で決定する名前です。これでWindowsパソコンにホスト名(マシン名)として表示されます)
- ワークグループ=WORKGROUP (他のWindowsパソコンと共通の名前を設定します)
- 概要=FreeNAS Server (適当に説明を入れておきます)
- Dos 文字セット=CP932
- Unix 文字セット=UTF-8
その他の項目の設定は初期値のままで大丈夫です。意味を解って後で追加設定してください。
これで 保存して再起動 をクリックします。
次に具体的にディスクを共有させる設定を行います。
サービス / CIFS/SMB / 共有 のタブを開きます。やはり空欄の表が現れます。右下のプラスマークをクリックして詳細設定画面を開きます。
ここでは Windows マシンから見えるディスク名などの設定を行います。Windows マシンからはサーバー名からこのディスク名へとアクセスをすることとなります。自分でわかりやすい名前を付けておきましょう。ここでは netdisk としています。
- 名前=netdisk (自分で決定します)
- コメント=FreeNAS DISK (適当なコメントを入れておきます)
- パス=/mnt/netdisk (右端にあるボタンを押して選択できるものを選択します。これはディスクの項目で設定したものです。)
その他は初期値のままで大丈夫です。最後に左下の追加ボタンを押して確定します。
サービス / CIFS/SMB / 共有 の画面に戻ったところで 変更の適用 ボタンを押して確定します。
以上で設定は終了です。ただし最低限のものだけです。セキュリティなども心配ですが家庭内のLAN環境だけで使用するものだと考えると特に問題はないと思います。(もちろん何の保証もありません) これからは実際に FreeNAS を運用しながらセキュリティのレベルを向上させていった方が理解が深まると思います。
ネットで情報収集するときには 「samba 設定」 などのキーワードで検索すると情報にアクセスしやすいと思います。
ただし上記の検索では直接設定ファイルの中身の説明だったり、やはり samba が持っている設定ウェブGUI の SWAT のものだったりします。しかし設定項目のキーワードとなる文字はどれも共通しているので、FreeNAS の設定項目の文字と比較しながら必要な設定項目について理解して設定を行ってみるとよいと思います。
今回実験的にインストールした FreeNAS を操作した感じとしては一つのウェブGUIでハードディスクの設定や各種のサービスの設定も出来てしまう様子に感心してしまいました。いままでは素の OS が入っているところに samba を単純にインストールしたものを使用していましたが、OS でフォーマットやマウントの知識を勉強して、さらにsambaでディスク領域の提供サービスの設定の勉強もしなければならなかったものが一括して出来るところにメリットがあると感じました。
ただ私のように事前に概要が解っている人が操作するには便利ですが、まったくの素人さんが設定するにはもっと大胆でかつ簡単な設定方法が求められるのではないかと思いました。
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