自宅に持ち帰ったNEC VL370/4 を自宅にあるディスプレイやキーボードにつないで起動させてみたところ、なんとあの階調のおかしかった表示ではなく、ちゃんとした表示になっていて驚きました。どうやら表示の問題は本体に付属していた液晶ディスプレイに問題があったようです。
しかし xorg と xvesa で表示が異なっていただけに現時点ではまだ原因が分かりません。
そしてハードディスクの write error について調べるためにパソコンの蓋を開けて調べてみることとしました。
このパソコンは開ける場所が分かりにくい機種です。背面にあるスライドスイッチを解放側にして、前面(フロントパネル)と一緒につながっている本体カバーを前面側へスライドさせると開くことができます。
中を開けて IDE ケーブルの様子などを確認してみましたが、異常はないようです。ここで何度が起動させて時間を計測してみましたが、やはり2分50秒程度の時間でした。これではカップ麺が出来てしまいそうです。
ネット上を検索するとこの機種に使用されているチップセットは SiS 社の 651 ということが判りました。そして画像や音声、そしてハードディスクドライブ関係でかなり問題も出ているようです。かなり手強いものに ubuntu をインストールしてしまったようです。
そういえば先日の別の友人の NEC 製ノートパソコン LL370/E にも SiS のチップセットが使用されていて、Xorg で上手く描画が出来ない状態だったようです。マウスを動かすと動かした跡に軌跡が残る状況だったようです。しかし ubuntu 10.10 では問題なく表示されるようになったということでした。
どうも諸問題を解決するために ubuntu 10.10 へアップグレードするのが効果的ではないかと思いました。早速 ubuntu 10.04 がインストールされていた部分を潰して、新しく ubuntu 10.10 をインストールすることとしました。
結果ですが、表示部分については ubuntu 10.04 のときからちゃんと表示されているようなので特に差はありませんでした。そしてハードディスクの起動に時間がかかり、そして write error になってしまう問題は残念ながら解決できませんでした。どうもハードディスクの問題は根が深いようです。
そこで SiS のチップセットではなく RAID カードを取り付けて、この RAID カードからハードディスクを動作させれば何か解決策が見つかるのではないかと考えました。この RAID カード経由で上手く動くのであれば、このまま使用し続ければ良いわけですから。
そこで以前ウェブサーバーとして使用していたパソコンに取り付けてあった Iwill SIDE RAID 100 (chip:HPT370A) が使用されることなくホコリを被っていたのでこれを使用することとしました。もう使うこともないので友人にプレゼントするつもりでした。
これで起動させようとすると何と!まったく起動しなくなってしまいました。
NEC のロゴマークの表示があった後、RAID の BIOS の表示が終わると何とパソコンがリセットされて再びパワーオン直後の状態に戻って再び NEC のロゴマークが表示されることの繰り返しとなってしまいました。
やっちまった!
ここは気持ちを落ち着けて RAID カードからハードディスクを外して再び本体にある IDE ケーブルに繋ぎ代えてみました。しかしこれでも上記と同様の動作を繰り返すようになってしまいました。
どうも mbr 領域かブートコードの入っている部分が最低でも壊れてしまったようです。
どうにか回復しないものか再び RAID カードへハードディスクをつないだり、本体へつないだりを繰り替えしましたが症状は収まることがありませんでした。
ここで partedmagic の Live-CD でパソコンを起動させると無事起動することが出来て、gparted でハードディスクの内容を確認すると二つのパーティションは無事のようでした。このときはハードディスクを本体の IDE ケーブルに接続して作業をしました。
testdisk コマンド使ってハードディスクの検査と復旧を試みてみました。
結果は NTFS 領域は上手く発見することが出来たようですが、ubuntu がインストールされた ext4 領域は変な形で復旧されることとなりました。ubuntu の部分については再びインストールすることとしてこれで再起動させてみることとしました。
testdisk は mbr 領域を復旧するにあたりブートコードの部分も修復するようで grub が削除されていました。そして電源を入れると WindowsXP が立ち上がろうとしました。しかし WindowsXP のロゴマークが表示された直後にパソコンがリセットされる状態となってしまいました。WindowsXP の領域も壊れてしまったかも!と思っていました。
しかし3年ほど前にこの 320GB のハードディスクをインストールするときに BIOS の壁のような症状があったことを思い出しました。2002年に発売されたパソコンのため もしかすると137GB を越えるハードディスクを BIOS が上手く認識できないという問題があるかもしれません。それもこの時には WindowsXP に 160GB の容量を割り当てていました。
そこで BIOS のアップデートは存在しないか調べてみました。BIOS のアップデートは存在しないようでした。しかしこの VL370/4 というパソコンは VL300/4 の量販店モデルであったことをやはりネット上で検索しているときに知りました。そこで VL300/4 で BIOS を探すと BIOS のアップデートが有るではありませんか!
これで BIOS の壁の問題も解決できるかもしれません。とりあえず現在の BIOS のバージョン(リビジョン)を調べてみると 213A1100 となっていました。アップデートの BIOS は 213A1400 となっていて、現在の BIOS より新しいもののようです。早速ダウンロードしてインストールしてみることとしました。
BIOS のアップデートは WindowsXP で行うように記述されていました。しかし WindowsXP が起動しない状態なので DOS 6.2 のブートディスクを作り、この中へアップデートを行う実行形式の BIOS ファイルを入れてアップデートを試みました。
当然と言えば当然なのですが、アップデートは行われずエラーで終了してしまいました。
そこで手元にある 20GB のハードディスクをこのパソコンへ接続して WindowsXP をインストールして、これを使ってBIOS のアップデートをしてみることとしました。WindowsXP のインストールは何年ぶりのことでしょうか。結構時間がかかり、WindowsXP が起動したところで BIOS アップデートを実行してみました。
な!な!なんと!「本アップデートはお客様のご使用環境をサポートしておりません」とつれない表示が(涙)。
これでは元々あった WindowsXP 環境も潰してしまうしか方法はないのか。悔し涙と苦労が報われなかったことに落胆してしまいました。
しかし BIOS の壁の問題があるとするならば、BIOS の壁に引っかからない容量に縮小してしまえばよいのでは!と閃きました。
再び partedmagic の Live-CD でパソコンを起動させて C ドライブ(/dev/sda1)の使用されている容量を確認しました。20GB 程度の使用でした。そこでこの C ドライブの容量を一気に30GB に圧縮することとしました。基本的に使用していなかったパソコンに念のために入れておく WindowsXP ですので残りの容量は少なくても大丈夫だと判断したからです。
先日の友人宅で gparted でパーティションの圧縮移動で10時間も時間が掛かっていたので、この圧縮作業でも時間が掛かると思っていました。しかしあっけなく15分ほどで終了しました。
C ドライブの圧縮が終了したところで再起動させました。すると先ほどまでの状況と変わりました。ブルー画面でハードディスクのチェックを開始し始めました。そしてこのハードディスクのチェックが終了すると一度リセットがかかり、再起動となりました。そして WindowsXP が起動しました。
もう壊れて使い物にならなくなったWindowsXP だと思っていただけに涙が出そうにうれしかったです。それはもう。
これで起動するということはやはり BIOS の壁があったのでしょうか?
せっかく立ち上がったので、ここで BIOS のアップデートを再び試みてみました。するとどうでしょう!こんどはちゃんとアップデートが実行されるではありませんか!このままアップデートを実行させました。
どうも NEC のプリインストールされた WindowsXP でないと BIOS アップデートが出来ないようです。
再起動のとき F2 キーを押して BIOS の設定画面に入ってバージョンを確認するとちゃんと 213A1400 になっていました。このバージョンで BIOS の壁が解消されたかについては検証していません。
長くなるので次の記事へ続きます。
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