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2015年3月18日水曜日

Buffalo WER-A54G54 は DD-WRT 13064 を推奨

先日、DD-WRT のファームウェアのインストールに成功した バッファロー WER-A54G54 ですが、その後、通信転送速度の測定や試験運用の結果、DD-WRT のビルド 14896 のものは非常に不安定であることが判明しました。

今回、通信転送速度を計測した WER-A54G54 です。

DD-WRT 14896 の問題点

具体的には 2.4GHz 帯の IEEE 802.11 b/g モードは動作するのですが、非常に不安定で、通信が途切れ途切れで行われる状態でした。そのため通信転送速度の計測を行うことができませんでした。計測に使用していた GFTP が通信を途中で諦めて遮断してしまうこともありました。ただ 5GHz 帯の IEEE 802.11 a は問題なく動作しているようでした。

さらに問題点は、国別電波帯域設定で W52 と W53 を選択する目的で 5GHz 帯の方を UNITED_STATES と設定して、2.4GHz 帯を JAPAN と設定すると、2.4GHz 帯の電波が発射されなくなります。5GHz 帯の方は電波が発射されています。
これを 5GHz と 2.4GHz の両方を共に UNITED_STATES または JAPAN に設定すると、5GHz 帯も 2.4GHz 帯も同時に電波が発射されるようになりました。

テーブルの縁にアンテナ部分を追い出して、内部へアクセスできるように置いてみました。

DD-WRT 13064 のインストール

そこで一つ古い DD-WRT のビルド 13064 を WER-A54G54 へインストールしてみました。ビルド 14896 のブラウザからの設定画面の[Administration] - [FirmwareUpgrade] のところから DD-WRT 13064 のウェブフラッシュ・イメージでインストールを行いました。

WHR-HP-AG108 Firmware: Webflash image whrag108-firmware.bin

DD-WRT 13064 の通信状況

新しくインストールした DD-WRT 13064 は、古い DD-WRT 14896 と打って変わって、調子良いのです。

上記のように 2.4GHz 帯の IEEE 802.11 b/g  モードでも、通信転送速度の計測ができるようになりました。そして、国別の電波帯域設定も 5GHz 帯を UNITED_STATES へ、2.4GHz 帯を JAPAN に設定して、正常に電波が発射されていました。

ただし、通信転送速度の計測時に度々速度がゼロになる現象は 5GHz 帯も 2.4GHz 帯でも見られました。無線 LAN のチップへ DD-WRT のファームウェアが適合していない部分があるのかもしれませんでした。

DD-WRT 13064 の通信転送速度

今回 DD-WRT 13064 で通信転送速度を計測しましたので紹介します。なお DD-WRT 14896 で計測できた 5GHz 帯の IEEE 802.11 a モードにつきましては、 DD-WRT 13064 とほぼ同一ということで省力しました。

計測方法は、いつものように、およそ 100MB の単一ファイルを5回ダウンロードして、その平均値を求める方法です。WER-A54G54 の 5GHz 帯の仕様を UNITED_STATES にして 40ch で計測しました。そして 2.4GHz 帯の仕様は JAPAN として 3ch で計測を行いました。

無線LANアダプタは ThinkPad X31 (Debian Wheezy) へ取り付けているインテル社の WM3B2915ABGを使用して計測を行いました。そして madwifi で動作している バッファロー WLI-CB-AMG54 を ThinkPad X22 (Debian Lenny) へ装着して計測を行いました。

★ 通信転送速度の計測結果 ★
無線LAN子機に Intel WM3B2915ABG を使用時
Super G Fast Framing オフ
IEEE 802.11 a : 2,107KB/s ( 16,856Kbps )
IEEE 802.11 g : 2,302KB/s ( 18,421Kbps )
Super G Fast Framing オン
IEEE 802.11 a : 2,095KB/s ( 16,766Kbps )
IEEE 802.11 g : 2,300KB/s ( 18,406Kbps )

無線LAN子機に Buffalo WLI-CB-AMG54 を使用時
Super G Fast Framing オフ
IEEE 802.11 a :   858KB/s (  6,866Kbps )
IEEE 802.11 g : 2,164KB/s ( 17,316Kbps )
Super G Fast Framing オン
IEEE 802.11 a : 1,002KB/s (  8,019Kbps )
IEEE 802.11 g : 1,613KB/s ( 12,905Kbps )


インテル社の WM3B2915ABG を ThinkPad X31 へ取り付けた状態で計測を行ったものは、いわゆる 54Mbps を標榜する無線 LAN ルータにありがちな通信転送速度となりました。そして Super G Fast Framing については、オン/オフで変化は見られませんでした。どうもハードウェア的に、無線 LAN ルータ側の Atheros 社のチップと無線 LAN アダプタの Intel 社のチップとの間で Super G Fast Framing 機能が働いていないようでした。違うメーカーの無線 LAN チップなので、当然のことかもしれません。

そして無線 LAN ルータと同じ Atheros 社のチップが搭載れた無線 LAN アダプタの WLI-CB-AMG54 では、 Super G Fast Framing のオン/オフで差がでました。ただ全体として、通信転送速度は低調な結果となっていて、特に 5GHz 帯の IEEE 802.11 a モードは他の無線 LAN ルータと同様に 800MB/s 程度の速度しか出ていませんでした。

通信状況をグラフに表示する DD-WRT の機能を使って、通信状況を観察するかぎりでは、DD-WRT 13064 でも通信が細かく中断している様子が見られます。私のように興味本位で DD-WRT をインストールして遊ぶ分には問題はありませんが、実用的な無線 LAN ルータとして使用するには疑問のある結果となっています。ファームウェアの入れ替えを考えている読者さんは、よく考慮してインストールしてください。

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