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2010年12月18日土曜日

Intel PRO/1000 MT のニセモノに騙された!


今回はあえてとあるインターネット・オークションとしておきます。そこで入手した贋物の Intel PRO/1000 MT の話題です。

出品者の人はいわゆるパソコンやその関連商品の中古品を扱っている個人の業者さんのようでした。評価の数も2000を越えるものでなかなか一般の個人がこれほどまでの出品をし続けることは難しいからです。

オークションの説明には「未開封品」というものでした。ギガビット対応のネットワーク環境を整える上で私としてはしっかり動くものから順次取り揃えてゆきたいと思っていたので、未開封=新品のイメージで落札しました。

しかし届いた商品を確認してみると確かにパッケージの蓋の部分にはテープが貼られていて未開封のように見えるものでした。しかし開封してみるとホコリだらけの完全なる中古品でした。おそらく出品者の人も未開封を意識してあえて開封しなかった事が原因で出品者の落ち度は明らかでした。しかしネットオークションの世界ではこのようなものが横行しているもの事実なので、よい話題の一つになるかと思っていました。

そこで中古品ということであればしっかり動作の検査をしなければなりません。デスクトップパソコンへ装着して電源を投入してみました。Ethernet ケーブルも接続しているのにネットワークカードの上の LED が点灯しません。もちろんシステムはカードを認識していますが no carrier となっていて通信もしてくれません。どこか接触不良でも起こしているのか調べるために Ehternet ケーブルを触ると一瞬 LED の carrier のランプが点灯します。よくみるとネットワークカードのコネクタの根元のハンダが割れていてグラグラと揺れる状態となっていました。これでは通信が出来ないのも当然のことでした。

さすがにこれでは笑い話にもならないので出品者へ相談してみたところ返金か別の中古品との交換ということとなりました。そこで交換用の中古品を送ってもらうこととしました。さすがに対応が早いのも業者さんらしいものでした。

さて問題はこの後で判明しました。こんな故障はよく発生しているものかとネット上で PRO/1000MT をキーワードで検索していると2003年ごろからこのネットワークカードの贋物が出回っていることを知りました。そしてその特徴を見てみるとまさしく私が手にしているネットワークカードが偽造品に該当することが判りました。とんだババを引いたものです。

以下は参考にしたウェブページと手元にある偽造品の写真です。

Gigabit Ethernet 過去ログ倉庫:http://www.nicdat.net/
◆Intel Pro/1000 MT Desktop Adapter のパチモンが一部で出回ってます。

■INTEL PRO/1000MT Desktop Adapter(PWLA8390MT)偽造品混入のため、回収のお知らせ。(ドスパラ)
http://www.dospara.co.jp/info/share.php?contents=pro_1000&m=n

これが私の手元にある偽造品(贋物、パチモノ)の写真です。

カードそのものはいわゆる贋物の特徴をそのまま備えている教科書的な(笑)ものです。
表面のベンダー識別子(OUI)は 0007F6 となっていて Quest Software Systems のものとなっています。


そして裏側には A7 の刻印もしっかりあります。


さらに表面の部品の様子を観察すると積層チップコンデンサや LED が斜めに傾いて取り付けられています。それもフローハンダではなく下手くそな手作業によるものです。こんな状態では様々な故障が発生することが予想されます。


これは代替品として送られてきた Intel PRO/1000 GT の Lowprofile 品と並べて撮影したコネクタ付近の様子です。左側が贋物の Intel PRO/1000 MT で右側が正規品と思われる Intel PRO/1000 GT です。
Ethernet コネクタの接点を被う茶色いプラスチック板の取り付け位置がが間違っているのが分かります。
そしてブラケットのメッキの質も明らかに違い、Intel 特有のブラケットの爪を折り曲げて固定する部分も全然異なります。贋物は三角形に折り込んでいる形となっていて、正規品は四角く包み込むように折り込まれています。いわゆる手作業で行っている感じです。


次にパッケージの様子を観察するとドスパラの画像解説ページにある特徴をそのまま備えたものでした。
画像解説ページ:http://www.dospara.co.jp/info/share.php?contents=pro_10002&m=n

側面のラベルの様子です。いわゆる偽造品の特徴がよく出ています。


表面部分は比較対象のパッケージがないためよく判別できません。


そして裏面部分は偽造品特有の色調と太い文字となっています。


有名ブランドの衣料品や装飾品、音楽や映像ソフトではよくコピー商品がオークションに出回っていて注意をしていますが、さすがに今回のネットワークカードは盲点でした。たまたま贋物のネットワークカードが故障していたから気づいたのですが、これが上手く動作していたら気づかなかった可能性もありました。これからは入札したい商品の偽造品情報を検索した上で入札をする必要がありそうです。

なおこの商品は上記の特徴を備えた限りなく偽造品に疑わしいものであることを付け加えた上で出品者へ返送しました。出品者も悪意を持って出品したとは思われないことから出品者も贋物詐欺の被害者の一人だと思われます。

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