2014年11月23日日曜日

QKFLASH.EXE を実行するフロッピーディスクの作り方

バッテリが消耗してしまった ThinkPad の BIOS のアップデートをしようとするとバッテリの充電不足を理由にアップデート・プログラムを中断してしまいます。そこで公式な方法ではなく、直接 QKFLASH.EXE を実行して BIOS を書き換えてしまう方法があります。

バッテリの充電不足で BIOS のアップデートが中断された事例

バッテリの充電を確認して BIOS のアップデートを行うようにしているのは、BIOS 書き換え途中のトラブル回避のためです。BIOS の書き換えに失敗すると ThinkPad が起動しなくなります。そのため直接 QKFLASH.EXE で BIOS を書き換えする方法は推奨できない危険な方法です。執筆者自身もすべての ThinkPad の BIOS の書き換えを行ったわけではないので、この QKFLASH.EXE で直接書き換える方法の有効性も疑わしいものです。そのため、QKFLASH.EXE で直接書き換える方法を採用するのではなく、バッテリを何らかの方法で確保するか、BIOS のアップデートを諦めることをお勧めします。BIOS に起因する問題が発生するとき以外は、アップデートする必要はありません。

 ここではバッテリが消耗した状態でむりやり BIOS アップデートするために必要な起動フロッピーディスクの作り方の紹介です。

事例として ThinkPad R51e の BIOS アップデート・フロッピーディスクの内容です。 この中から必要なファイル(青い太字で表示)を MS-DOS 起動フロッピーディスクへコピーします。
$01A2000.FL1
$DISP.SYS
$FONT.SYS
$JPNHN16.FNT
$JPNHN19.FNT
$JPNZN16.FNT

06D0.PAT
06D1.PAT
06D2.PAT
06D6.PAT
06D8.PAT
06d0.HSH
06d1.HSH
06d2.HSH
06d6.HSH
06d8.HSH
CHKBMP.EXE
COMMAND.COM
CONFIG.SYS
COUNTRY.SYS

FLASH2.EXE
IBMBIO.COM
IBMDOS.COM
PHLASH16.EXE
PROD.dat
QKFLASH.EXE
README.TXT
TPCHKS.EXE
UPDTFLSH.EXE
UPDTMN.EXE
USERINT.EXE
UTILINFO.EXE
lcreflsh.bat

QKFLASH.EXE を実行できる起動フロッピーディスクの作成

まず MS-DOS で起動しているマシンにおいて起動フロッピーディスクを作成します。
A:\FORMAT A:/S

フォント・ファイルやドライバをコピーします。
$DISP.SYS
$FONT.SYS
$JPNHN16.FNT
$JPNHN19.FNT
$JPNZN16.FNT
COUNTRY.SYS

QKFLASH.EXE を実行できる起動フロッピーディスクの内容です。
$DISP.SYS
$FONT.SYS
$JPNHN16.FNT
$JPNHN19.FNT
$JPNZN16.FNT
COMMAND.COM
CONFIG.SYS
COUNTRY.SYS
DBLSPACE.BIN
IO.SYS
MSDOS.SYS

この中からシステム設定する CONFIG.SYS を下記のように書き換えます。
STACKS=9,128
BUFFERS=20
FILES=20
COUNTRY=081,932,\COUNTRY.SYS
DEVICE=\$FONT.SYS /MSG=OFF /F=HN /F=ZN
DEVICE=\$DISP.SYS /MSG=OFF

以上で QKFLASH.EXE を実行できる起動フロッピーディスクはこれで完成です。

QKFLASH.EXE を実行できる起動フロッピーディスクの使い方

この起動フロッピーディスクが使用できる条件として、公式の BIOS アップデート・フロッピーディスクの中に QKFLASH.EXE が存在していることです。この QKFLASH.EXE 以外の書き換えソフトウェアで書き換える BIOS アップデート・フロッピーディスクも存在します。この場合、この QKFLASH.EXE で BIOS を直接書き換える方法は使用できません。

まず最初にQKFLASH.EXE を実行できる起動フロッピーディスクで BIOS をアップデートする ThinkPad を起動させます。起動すると日付や時刻の設定の問い合わせがありますが、リターン・キーでそのまま通過します。

起動フロッピーディスクで起動したところです。

起動が完了したところで、BIOS アップデート・フロッピーディスクへ差し替えます。

そして QKFLASH.EXE を /U オプションを付けて BIOS を書き換えます。
A:\QKFLASH.EXE /U

なお書き換え中は、カーソルの点滅もなくなり、フリーズしたかのような状態になります。ここで絶対 ThinkPad の電源を切らないでください。BIOS の書き換えが終了すると自動的に電源が切れるのを待ってください。通常書き換えに5分程度の時間が掛かります。

QKFLASH.EXE で直接 BIOS を書き換えているところです。

書き換えが終了したら、ThinkPad の電源を投入して、F1 キーを押して BIOS 画面を表示して BIOS のバージョンを確認してください。

なお前述しましたが、この QKFLASH.EXE を直接実行する方法は ThinkPad が動作しなくなる可能性があります。もう ThinkPad を破損しても構わないから BIOS をアップデートしたいときのみにしてください。くれぐれも安易に使用する方法ではありません。

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