2013年1月11日金曜日

ThinkPad 570 液晶パネルの真っ白病修理

ようやく重い腰をあげて ThinkPad 570 の液晶パネルの真っ白病の修理を行いました。


現状は電源投入時などで画面が真っ白になってしまいます。液晶パネルの天板を左右にひねるように力を加えると正常な画面が表示されます。また何かのきっかけで突然真っ白になることもあります。この時も液晶パネルにひねりを入れることで一時的に改善します。このままでも使用を続けることは可能ですが、このひねる力によって早晩液晶パネルに新しい故障が発生する危険性もあるため何とか修理をしておきたいと思っていました。

修理をするためには液晶パネルを取り外す必要があります。そのためには分解が必要となります。筐体底部のネジを取り外し、キーボードやパームレストなどを取り外します。


この ThinkPad 570 のキーボードも充電池パックのところから押し出す方法でキーボードを取り外します。小さな爪でロックしてある部分があり、このロックを解除してキーボードを押し出す必要があります。写真はロックを解除するレバーの様子です。


キーボードなどを取り外した様子の写真です。プロセッサの放熱用のアルミ板も撤去してあります。こうしてマザーボード(システムボード)が見える状態で、ホコリなどを綺麗に掃除しておきました。このようなチャンスがないかぎり掃除をすることもありません。


液晶パネル部分を取り外しました。左側のヒンジの様子が変です。ブラブラになっています。


液晶パネルの修理の前に不調となっている USB 端子の様子を調査してみました。肉眼では異常は感じられませんでした。そこで四本の端子へ追いハンダをしておきました。


ハンダ付けが正常に行われているか確認するために仮組みをしてみました。液晶パネルの替わりに外部の液晶モニターへ接続してみました。USB マウスを接続して、以前のように左右に USB コネクタを揺らしてみましたが、認識不良となることはありませんでした。やはり USB 端子のハンダ付け不良が原因だったようです。


USB 端子の修理が終了したところで、液晶パネルの分解をしてみました。やはり左側のヒンジの部品が割れて破損していました。このヒンジ部分の修理も必要となりました(涙)。


そしてこの液晶パネルは以前のオーナーさんの手によって分解されていた痕跡が生々しく残っていました。銅箔テープが無残なことになっています。また液晶パネルのベゼルの爪が何本も折れて無くなっていました。


液晶パネルの本体を取り出し、背面のコネクタの様子を観察してみました。ここもテープを一度剥がして、貼り直した跡がありました。どうも以前のオーナーさんも真っ白病に困ってこのコネクタを確認していたようです。結局直すことが出来なかったのでしょう。


まずコネクタとソケットの洗浄から行いました。いつものように無水アルコールで綺麗に洗いました。


 そしてコネクタへリボンケーブルの取り付けですが、ここではちょっと工夫をして取り付けました。ThinkPad 535X でも真っ白病になっていましたが、このときの修理経験から、完全にケーブルをコネクタに押し込むのではなく少し隙間を開けて押し込むようにしました。実際には約 0.5 ミリほどに切り出した厚紙をコネクタとリボンケーブル間に挟んで、完全に奥に入らないようにしました。


そしてテープでコネクタとリボンケーブルと厚紙を一緒に固定しました。


ThinkPad 535X の液晶パネルのケーブルを接続するコネクタはキャップ式でしたが、このキャップ式のコネクタが緩んで接触不良になっているものと思い込んでいました。キャップ式コネクタの上部にスポンジなどを当てて常時押し付けるような対策をしていたにも係わらず真っ白病が発生していました。そこで液晶パネルを動作させたままキャップ式コネクタを押したり引いたりすると、押し込むと調子が悪くなることを発見しました。どうも完全に押し込まれている状態では接点の接触が悪くなるようでした。そこで同様の厚紙を挟み込む方法で真っ白病を対策することができました。その後 ThinkPad 535X は真っ白病になることはなく、ずっと快調に動作しています。
このThinkPad 570 の液晶パネルのコネクタも完全に押し込むと接触が悪くなるのではないかと考えて今回の処置を行ったところです。

液晶パネルのコネクタ部分の修理が終わった後、左側のヒンジの修理に取りかかりました。

いつものように二液性のエポキシ接着剤で固定する方法を選びました。ヒンジの回転の様子を調べてみると、とても固い状態でした。どうもヒンジの回転の硬さからこの部品が折れてしまったのかもしれません。

そこで万力に回転部分を挟んでペンチで回してみましたがびくともしませんでした。KURE556 を吹きかけて、モンキーレンチで回してみました。回りましたが、二個に分裂していた部品が三つになってしまいました。そしてヒンジにも亀裂が入ってしまいました(涙)。


もうオークションで故障した個体を落札して部品取りをしようかとも考えてしまいました。しかしここはエポキシ接着剤の力を信じて修理を続行することとしました。

まずは接着し易そうな本体側へ取り付く金具側から接着を開始しました。そして液晶パネル本体側面に取り付く金具部分への接着を行いました。


接着からおよそ二時間ほど経過したところで、液晶パネルを組み立ててみることとしました。液晶パネル部分の組み立てでは、修理したヒンジ部分へ力が加わることもありませんでした。しかし本体へ取り付けるときにはさすがに力が加わるため、接着部分が心配でした。

ヒンジの修理部分を心配しながらも仮組みを行って電源を投入出来る状態まで漕ぎ着けました。
恐る恐る電源を投入してみると、液晶パネルにいきなり綺麗な表示が行われました。どうも真っ白病の対策も成功したようです。このまましばらく電源の入り切りを繰り返しつつ、真っ白病の再発はないか確認をしましたが、とりあえず再発の兆候は見られませんでした。


これで接着剤が完全に固まれば今回の修理は終了となります。しかしヒンジの部分が気になるため少し液晶パネルを前後に揺らせてみたところ、左側のヒンジの様子が変?になってしまいました。


慌てて確認してみたところ、何と接着していた部分が剥がれていました。接着剤がまだ完全に固まりきっていなかったことが原因なのか?それともエポキシ接着剤そのものの強度不足なのでしょうか?

再度液晶パネルのヒンジの修理をすることになりました。今度は今後の修理のことはあまり考えず、このヒンジの折れてしまった部品を液晶パネルの天板の裏側へ一緒に接着してみることとしました。この天板の角を一体として金具を支えるようにしました。ヒンジから伸びる左側の金具は液晶パネル本体とはピンで嵌め込み接続されている状況のため、天板の角の部分が接着されていても何とか液晶パネルは取り外せるものと思っています。しかし実際に行ってはいないので確証はありません。最悪は液晶パネル部分の交換か?この個体の修理を放棄することを考えています。


今日はこのヒンジの再接着のところで作業を終了しました。明日以降、接着剤が完全に固着した状態で組み立てを行ってみる予定です。

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