2012年9月22日土曜日

キーボードの修理と掃除

長年愛用していたキーボード(UNICOMP 42H1292U)の調子が悪くなってきました。
具体的には、キーボードの左側の「1,q,a,z」のキー入力を受付しなくなることが時々発生していました。原因を突き止めるにはキーボードを開く必要があり、この開いたついでに内部の掃除もしておくこととしました。


この UNICOMP 社のキーボードはご存知の読者さんも多いと思いますが、旧 IBM 社のバックリンク方式のキーボードです。もう入手が困難なキーボードですので、メンテナンスをしながら長く使ってゆきたいと思っているものです。

さてキーボードの分解ですが、背面にある4本のネジを外すことから始めました。ネジの頭部は六角の形のもので、六角のボックスドライバーでネジを外しました。

キーボードを開いてみると長年のホコリやコーヒーをこぼした時の汚れなどがびっしりと付着していました。ざっと掃除機でホコリを吸い取った後、刷毛や綿棒で隙間の汚れを綺麗にして行きましたが、キーボードの基盤部分とキートップの間に多くの汚れが残っているのが見えました。そこで一念発起してキートップを全て外して、本格的に掃除をすることとしました。

キートップを全て外したら、レンジ回り用のアルカリ系強力洗剤を入れたバケツの中にキートップを一時間ほど浸してキートップの汚れを溶かすことから始めました。


一時間ほど薄めた洗剤の中に浸していたキートップを一個ずつ取り出しては、刷毛で表面や側面を綺麗に撫でて念入りに掃除した後、次々と水で濯いでは乾燥させてゆきました。乾燥にはウール素材の衣類を乾燥させるネットを使ってみました。意外と便利でした。日頃キートップの文字書かれている表面だけは綺麗にしていますが、側面はなかなか綺麗にする機会が無かったので、これで新品同様の美しさが戻ってきました。


キーボードの基盤部分は、鉄板を底にて電気回路を構成するフィルム基盤と黒いプラスチック製のキートップを固定する上部部品から出来ていました。この基盤部分は簡単に分解出来ない構造となっていました。プラスチック部品の一部が底の鉄板部品に貫通していて、このプラスチック部品を融かして固定する方法が用いられていたからです。分解はこれで終わって、黒いプラスチック部品の表面にコビリ付いている汚れをアルコールを浸した綿棒などで丁寧に落としてゆきました。地味で時間の掛かる作業に少しうんざりしてしまいました。


そしてこれらの作業と並行してキーボードの表面を上下に被う外部部品も綺麗に掃除しておきました。

水に濡れたキートップなどの部品が乾燥するのを待って、キートップの組み込み作業を行いました。キートップの内部にはまだ多くの水分が残っていたので、一個ずつ取り上げては、エアーダスターで水分を吹き飛ばして、キーボードの基盤へ取り付けてゆきました。これも結構な時間がかかりました。時々間違えてキートップを取り付けてしまうものですから(笑)。特に数字の1,2,3...のキートップは右側のテンキー部分のキートップと入れ違いにしてしまうことが何度かありました。

キートップを全てキーボード基盤へ取り付けたところで、パソコンへキーボードを接続して動作確認をしてみました。すると問題の「1,q,a,z」のキー入力が出来ませんでした。そこで原因を探してみることとしました。

このように一列のキーを認識しない原因はキーボードのマトリックス・スキャンをしている電線の一本が切断していることが考えられます。しかしキーボード基盤を分解するのは難しい状況です。どうしたら良いか考えていました。

何気にキーボード基盤を観察していると、右上部分にあるマトリックス・スキャンを制御する IC が載ったプリント印刷基盤の端っこが割れていることに気づきました。この部分を触ってみると、認識しなかった「1,q,a,z」を認識するようになりました。原因はここにあるようです。


そこでこのプリント印刷基盤を取り外そうとしたのですが、二ヶ所ある丸いプラスチック部品で固定してある部分が何故か外れません。力任せに外してしまって壊れてしまったのでは取り返しのつかないことになってしまいます。そこで外すことが出来た側面のプラスチックの爪の部分からわずかに見えるプリント印刷基盤の裏側の様子を観察してみました。

キートップと連動したスイッチが並ぶフィルム基盤から伸びると思われる電気接点がここまで到達していて、ハンダ付けされることなく背面にゴム状の素材の圧力を使ってプリント印刷基盤の電気接点へ押し付けていることが判明しました。どうもプリント印刷基盤の一部が割れて必要な圧力が得られず、ゴムの経年劣化の影響もあって一部の接点が接触していなかったようです。

今回はプリント印刷基盤の中央部に位置する IC チップの表面に扉などの隙間を埋めるためのスポンジ材を張り付けて、キーボードの外部部品によってプリント印刷基盤をキースイッチのフィルム基盤へ押し付けることとしました。スポンジ材は少し固めのものだったこともあり十分な圧力が得られたようです。


この後、本格的にキーボードを組み立てて再度動作確認をしてみましたが、現在のところ問題はないようです。しばらくこれで様子をみてみようと思っています。



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