2011年7月22日金曜日

PT2 をハードディスク・レコーダーへ (1)

先日 Debian Lenny がインストールされているデスクトップマシンで PT2 の動作確認をした後、早速ハードディスク・レコーダー化をするためにいろいろとやってみました。

取り合えずマシンを用意しました。新しくマシンを新調したわけではなく2003年7月に組み立てた自作パソコンを再活用することとしました。昨年まで Windows マシンとしてずっと活躍し続けてくれたものですが引退したあとはホコリを被ったままとなっていました。この老兵を再び起用して最後のご奉公をさせてあげようと思っています。


マシンの概要は次のとおりです。Intel のプロセッサとマザーボードという最強?の組み合わせです(笑)。
  • プロセッサ Intel Pentium 4 2.6CGHz (Northwood HyperThread)
  • マザーボード Intel D865GBF
  • メモリ 256MB × 4枚=1024MB (400MHz)
  • ハードディスク 320GB SATA150でマザーボードへ直接接続

PT2 はすでに一番上の PCI スロットへ挿入してあります。




Debian Squeeze のインストール

そしてインストールするシステムは Debian Squeeze としました。まだデスクトップマシンの環境では Lenny からアップグレード出来ない状況が続いていますが、サーバー用途ではまったく問題がないため現在の安定版となる Squeeze をインストールしました。

インストールは最新版が常にインストールされるネットワークインストールで行いました。

インストールを開始するとハードディスクのパーティションの割付があります。ここで私はいつものように各ディレクトリを分割する方法を選択しました。しかしこのブログを参考としてハードディスク・レコーダーを作ろうと考えている初心者の方は、全体を一つのパーティションとする方法をお推めします。標準で録画データなどが /var ディレクトリへと保存されるためすぐにハードディスク不足となるためです。

それからインストールの途中で表示される tasksel によるインストールの選択ではデスクトップマシンとしないために、一番上に付いている「デスクトップ」のチェックマークを外して一番下の「標準的なインストール」のみにチェックした状態でインストールを進めます。デスクトップ環境をインストールしないことからシステムのインストールはほんの短い時間で終了します。最後は再起動(リブート)が促されるため、このまま再起動してシステムのインストールを完了させます。

再起動させた後は今後 PT2 をインストールする作業に必要なソフトウェアをインストールしました。

テキストエディタはいつも使っている vim をインストールしました。
# aptitude install vim

外部のデスクトップマシンから操作出来るように ssh もインストールしておきました。
# aptitude install ssh

そしてテレビ番組の開始と終了がきっちりと録画できるようにするには時刻合わせが大切です。そこでマシンの時刻合わせのために ntpdate もインストールしておきました。
# aptitude install ntpdate

ここまでで PT2 をインストールする準備ができました。


PT2 のインストールの事前準備


PT2 のインストールは前回行った Debian Lenny の時と同様に行います。

作業はユーザーディレクトリの中に PT2 というディレクトリを作ってその中で作業を行いました。
$ mkdir PT2
$ cd PT2

ドライバー類は既に入手ずみのため新しいマシンへ転送しておきました。そして作業ディレクトリの PT2 の中で圧縮ファイルを解凍展開しました。
$ tar -jxf pt1-c44e16dbb0e2.tar.bz2
$ tar -jxf pt1-7662d0ecd74b.tar.bz2

まず最初にドライバー類のビルドに必要なツール類をインストールしておきました。前回の Debian Lenny のときの体験から次のパッケージを選択しました。
# aptitude install build-essential linux-headers-`uname -r` pkg-config autoconf libpcsclite-dev

カードリーダー SCR3310-NTTCom のインストール

まずはインストールが aptitude だけで終了するカードリーダーからインストールを開始しました。
# aptitude install pcscd pcsc-tools

カードリーダーのチェック
B-CAS カードをカードリーダーに挿入してカードスキャンのコマンド実行します。コマンドは実行したままの状態となっていますので最終行の B-CAS の内容を確認したら ctrl + c でコマンドから抜け出します。
# pcsc_scan
Possibly identified card (using /usr/share/pcsc/smartcard_list.txt):
3B F0 12 00 FF 91 81 B1 7C 45 1F 03 99
Japanese Chijou Digital B-CAS Card (pay TV)
^C (ctrl+c) で抜ける。

PT2 のドライバー類をインストール
カードリーダーのインストールが完了した後 PT2 のドライバーのインストールを行いました。

PT2 の作業ディレクトリ内で次の手順でビルドを行いました。

$ cd ~/PT2
$ cd pt1-7662d0ecd74b/driver
$ make
$ su   スーパーユーザーとなってインストールを行った。
# make install

PT2 のドライバーをインストールしたところでマシンを再起動(リブート)させてドライバーが PT2 本体をちゃんと認識しているか確認しておきました。下記のように pt1-pci の文字が表示されれば大丈夫です。
$ lspci -v | grep pt
Kernel driver in use: pt1-pci

次に B25 デコードライブラリをインストールします。ここでは古いソースコードを使います。PT2 の作業ディレクトリ内で次のようにビルドとインストールを行いました。
$ cd ~/PT2
$ cd pt1-c44e16dbb0e2/arib25
$ make
$ su  スーパーユーザーとなってインストール作業を行った。
# make install
# exit


最後に録画ツールのインストールを行いました。
$ cd ~/PT2
$ cd pt1-7662d0ecd74b/recpt1
$ ./autogen.sh
$ ./configure --enable-b25
$ make
$ su
# make install
# exit
$ cd ~/PT2

録画テスト

ドライバー類のインストールが終了したところで、いよいよ録画テストをしてみます。
$ recpt1 --b25 --strip [物理チャンネル] [録画秒数] [出力ファイル]

私は前回と同様に 18ch を 10秒間 test.ts に録画してみました。
$ recpt1 --b25 --strip 18 10 test.ts

出来上がった test.ts ファイルをデスクトップマシンへ転送して vlc media player でちゃんと録画されていることを確認しました。

参考のために vlc media player のインストール方法は次のとおりです。
# aptitude install vlc

なおハードディスク・レコーダー化するときに利用させていただく EPGrec では録画番組の ts ファイルをストリーム配信することとなります。これを受信するには Iceweasel (Firefox) にも手を加えておく必要があります。

一つの方法は mozilla-plugin-vlc を使って Iceweasel 上で番組を閲覧する方法です。しかし vlc の操作ボタンの表示が無くなってしまうため意外と使い難いことが判明しました。

そこで vlc をブラウザから呼び出す方法へ変更しました。
Iceweasel のメニューの「編集」>「設定」と入って Iceweasel 設定画面へ移行します。
「プログラム」のタブを選択したあと、「AFS video (video/x-ms-asf)」のプログラムを「動画プレーヤー(標準設定)」から変更します。変更先は「他のプログラムを選択」を選んで /usr/bin/vlc を選択して vlc を使うようにします。これで番組のストリーミング配信が始まると自動的に vlc が起動されて番組を閲覧することができるようになります。


次回は EPGrec をインストールして番組表や録画した番組を閲覧できるようになるまでをレポートしたいと思います。

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